近畿大学通信で司書資格を取得した記録

近畿大学の通信課程で図書館司書資格を取得しました(2018年度)

図書館情報資源概論 科目終末テスト(回答例)Q6~Q10

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

 Q6. 次の資料について説明してください。①地図資料、②小冊子、③加除式資料⇒p.26

  • 地図…地球もしくはほかの天体の表面や関連面について、縮尺し、平面に表現したもので、一定の事象を選び、象徴化している。住宅地図や都市地図を扱う一般図と、植生図や地質図など特定の事象を扱った主題図に分けられる。
  • 小冊子…いずれか1国で出版され、公衆の利用に供される、表紙を除いて5ページ以上48ページ以下の印刷された非定期刊行物のことで、ある一定のテーマに対しての概要などが多く、速報性や、広報としての重要な役割を果たす。例えば、地方公共団体が発行する医療機関、学校、防災情報を紹介する内容や、各行政政策や事業について紹介する小冊子がある。パンフレットやリーフレット、カタログや、チラシも含まれる。
  • 加除式資料…中身の更新・削除などによって、ページ単位で差し替えが可能なバインダー形式の資料で、法律や企画など、頻繁に改訂などが発生する資料に適している。『現行法規総覧』や『現行日本法規』がこれにあたる。図書館では、発行者が来館し、差し替え作業を行うこともある。

 

 

Q7. 館種別コレクションの収集や特徴について、説明してください。⇒p.148

 図書館のコレクションは、館種や規模、サービス内容、利用者層によって異なり、収集方針を立てて、情報資源を組織化して提供している。

  • 国立国会図書館…日本の納本図書館であり、「図書、小冊子、逐次刊行物、楽譜、地図、映画フィルム、印刷その他の方法により複製した文書または図面、蓄音機用レコード、電子的方法、磁気的方法その他の近くによって認識することができない方法により文字、映像、音またはプログラムを記録したもの」のすべてを収めることを義務付けられている。近年では、民間が提供するオンライン資料の収集もできるようになったほか、国や地方公共団体等のウェブページの収集も行っている。
  • 公共図書館都道府県立図書館は、住民の資料要求にこたえる責任と市区町村立図書館の資料センターとしての役割を果たすため、すべての主題分野を包括し、図書や雑誌以外にも、視聴覚資料やネットワーク情報資源などの多様な資料、また地域資料や国内外の資料を幅広く収集する。一方で、市町村立図書館は、地域住民のニーズを反映した資料を収集する必要がある。本館と分館によっても、収集すべき資料が異なる。
  • 大学図書館…学部生、大学院生、教員等に利用されるため、教育や研究のための学術情報が中心である。
  • 学校図書館学校図書館法によって設置が義務付けられており、児童生徒の自発的な読書を支える「読書センター機能」や、学習を支える「学習センター機能」、情報活用力を育成する「情報センター機能」、教材になりうる資料を収集する「教材センター機能」が必要である。

 

 

Q8. 地域資料、政府刊行物、行政資料について説明してください。

  • 地域資料…郷土資料や地方行政資料のことで、図書館法によって公共図書館での収集が義務付けられている。地域資料とは、郷土に関係した歴史的資料以外にも、その地域で採算された出版物や、地域住民が出版した出版物、オーラルヒストリーなど、その地域でしか入手できない資料も含まれる。地方公共団体が編纂する「県史」や「市史」などのほか、行政資料等がある。近年では、デジタルアーカイブで提供されることも多い。
  • 政府刊行物…官報、白書、統計書など、政府あるいは国際機関が法律あるいは規則に基づいて一般に公表する目的で作成した刊行物。官報とは、国の公文書など工事機構を国民に周知させるための機関誌で、法律や省令の公布、人事の発令などが掲載される。白書とは、国の施策状況や統計などを掲載した年次報告書で、『ものづくり白書』など法定白書と、『エネルギー白書』など閣議決定された白書がある。統計書とは、主に国やその関連機関が発行した図書のことで、『日本統計年鑑』などがある。
  • 行政資料…国や地方公共団体、類縁機関が発行した出版物や、それらが外部に委託して作成した報告書のことである。公共図書館が収集する行政資料は、当該自治体が発行した資料を示すことが中心である。地方公共団体が発行した文書や広報誌、統計などは、一般には販売されないため、収集に注意が必要で、当該自治体に対して積極的に働きかけ、能動的に収集する必要がある。

 

 

Q9. 委託販売制度と再販売価格維持制度について説明してください。⇒p.125

①委託販売制

 出版者が取次を介して、書店に書籍や雑誌を委託販売し、一定期間内に売れ残った商品を返品できる制度。委託期間を過ぎると、書店(取次)が在庫処分をすることになり、書籍の返品率は約40%である。委託期間は、新刊の種類によって、45日から6か月になる。

 

②再販売価格維持制度

 再販制度とも呼ばれ、出版者が出版物の小売価格を定めて、書店で定価販売できる制度のことで、日本では1956年に制定され、現在も維持されている。

 再販制度によって、価格競争が避けられ、利益が確保できて、学術書や一定の関係者にしか読まれないような本がきちんと流通するという利点がある。一方で、問題点もあり、そもそも再販制度が導入された経緯が不明であり、現在の40%という高い返品率は再販制度の弊害でもあり、資源の無駄遣いになっているともいわれている。

 

 

Q10. 出版社と取次について説明してください。

 出版社は、書籍や雑誌などの出版物を刊行し、商品化し、公にすることを目的としている。主な仕事としては、企画、編集、組版、校正・校閲、印刷などがある。それらの作業によって本が完成したら、小売価格を設定する。日本には再販売価格維持制度があるため、出版者が設定した小売価格が、書店で定価として販売される。定価に応じて販売部数が決められ、執筆した著作者との出版契約を経て、出版者が独占的に出版し、著作者はその見返りとして印税等が支払われる。

 取次は、出版物を出版社から仕入れ、小売書店に卸売りする販売会社のことである。日本の出版流通は、「株式会社トーハン」と「日本出版配給株式会社」が約60%のシェアを占める。主な仕事としては、仕入れ・配本、配送、集金・金融機能がある。

  • 仕入れ・配本…販売実績に基づきコンピュータ配本することで、全国の書店ごとの販売情報や返品情報を分析し、どの書店に何冊配本するのかを決定する。
  • 物流…出版社から取次へ、取次から書店へ、本の物流を行う。
  • 集金・金融機能…書店に搬入した代金を回収し、各出版社へ支払う。
  • 書誌情報…書誌データベースを作成し、取次や書店の在庫情報に役立てるほか、図書館界では、MARCとして目録作成用に販売されている。