近畿大学通信で司書資格を取得した記録

近畿大学の通信課程で図書館司書資格を取得しました(2018年度)

情報資源組織論 科目終末テスト(回答例)Q6~Q10

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

 

Q6. 主題組織法の概要について述べなさい。⇒p.96

 主題組織法とは、主題検索を実現するための情報資源組織の方法である。

 「主題」とは、資料の中心的な内容であり、主題組織法には、①分類法によって資料検索を可能にする分類法と、②資料の主題を表す語によって検索可能にする件名法の2種類がある。どちらも重要で、場合によって使い分けや併用が必要なため、より効果的な検索を保障する主題組織法においては、両者を意識しなければならない。

一般的に主題組織で対象となる主題には、①単一主題、②複合主題(結合度の強い主題の組み合わせ)、③混合主題(結合度の低い主題の組み合わせ)に分かれており、混合主題は、主題同士の関係を①影響、偏向、③手段、④比較の「相」で分けられる。百科事典など主題が特定しにくい場合は、「形式」によって組織する。

 主題組織は、まずは対象とする資料が何に関して書かれているかを明らかにする「主題分析」を行い、資料の主題を確定する。次に、それに基づいて「索引語」を決定するという「翻訳」作業を行う。その際は、①自然に思いつく語や資料内に現れる語などをそのまま使用する「自然語」を使う「抽出索引法」と、②統制語彙表を活用して「統制語」を付与する「付与索引法」がある。この一連の作業を「主題組織作業(インデクシング)」と呼び、その良し悪しが資料の検索性能に大きな影響を与えることに留意する必要がある。

 そのためにも、主題組織法では、「ファセット分析」を念頭に置く必要がある。「ファセット分析」とは、単一の区分原理で区分された際に生じる区分肢(サブ・ファセット)の集合を示す「ファセット」という考え方に基づいて、ある特定の主題領域を分析することである。どのようなファセットによって構成されるかを決定することによって、 概念(キーワード)の結合(組み合わせる)が確実なものになるので、ファセットを導入することによって、事後結合索引法でも様々な主題もより正確に表現できるようになり、事前結合索引法でも引用順序が一貫するという利点がある。

 

Q7. 索引語として、自然語を付与する場合と統制語を付与する場合それぞれの手順について述べなさい。⇒p.8、99、101、142

 索引語とは、アクセスポイントに採用される語のことで、①自然に思いつく語や資料内に現れる語などをそのまま使用する「自然語」と、②語や記号を人工的に統制する「統制語」が用いられる。

 索引語として自然語を付与する場合は、資料中に出現する語をそのまま採用する場合が多い。それゆえ、例えば同義語である「図書」「書籍」「本」という語が、情報資源組織を行う人と、検索する人とがそれぞれ異なる語を思いついたとき、ミスマッチがおき、検索は失敗となる。しかし、自然語を付与することにより、例えば、携帯電話でなくスマートフォンなど、最新の語を検索する際などには、より高精度の検索結果が期待できることもある。

 一方、索引語として統制語を付与する場合は、まずはその拠り所となる「統制語彙表」が必要になる。主題検索のための統制語彙表としては、語と語の関係性を整理して同義語などのうちどの語を用いるのかを示した「件名標目表」や「シソーラス」、また概念間の関係性を整理して記号化した「分類表」と呼ばれるものが使用されてきた。これにより、同義語などがくまなく検索されるようになり、検索結果の再現率が高くなるという利点がある一方で、前述の「スマートフォン」のように統制語彙表に無い語に無理に「携帯電話」という索引語を付与することになり、検索結果の精度が低くなるという欠点もある。

 

Q8. 事前結合索引法の概要について述べなさい。⇒p.102

 事前結合索引法は、索引語を語順などで並べて求める資料を検索できるようにする索引法である。並び順が検索結果に影響するという点で、順番が影響しない事後結合索引法と異なる。

 事前結合索引法では、どのような順番でキーワードを結合するかという「引用順序」が重要な問題で、先に示された主題要素が優先的に検索結果に反映される。

 例えば、「生徒の教師に対する態度」を検索する場合には、「生徒-教師-態度」の順で並べると、生徒に関する資料とみなされ、「教師-生徒-態度」の順で並べると、教師に関する資料とみなされるのである。

 つまり、事前結合索引法では、検索欲求が生じる前にすでにキーワードが結合されており、事後結合索引法では、検索欲求が生じた後に「and」、「not」、「or」を使用してキーワードを結合するのである。

 インターネットの検索エンジンでよく使われる並び順不問の事後結合索引法では、余分な資料まで検索されてしまうことが多いので、検索結果の精度を高めるには、事前結合索引法の方が優れていると言える。

 

Q9. ファセット分析は何に使われるのか、具体的に図書館業務を想定して述べなさい。⇒p.105、113

 検索の際に、ファセットという考え方に基づいて、ある特定の主題領域を分析することを「ファセット分析」と言い、どのようなファセットによって構成されるかを決定することによって、 概念(キーワード)の結合(組み合わせる)が確実なものになる。

 ファセットとは、単一の区分原理で区分された際に生じる区分肢(サブ・ファセット)の集合を示し、例えば「教育」を「教科目」という区分原理で区分すると、「数学」「英語」「国語」などがファセットを構成する区分肢となり、「教育機材」という区分原理で区分すると、「教科書」「コンピュータ」などが区分肢となる。通常は一つの分類対象に対してファセットは複数設定される。

 ファセット分析を活用して実際の図書館業務で、例えば「コンピュータを使った数学の演習」をする際、

  • 教科目:数学
  • 教授法:演習
  • 教育機材:コンピュータ

というファセット分析をすることによって、コンピュータが教科でなく手段であることが明示されることになり、検索結果の精度が高められる。

 つまり、ファセットを導入することによって、事後結合索引法でも様々な主題もより正確に表現できるようになり、事前結合索引法でも引用順序が一貫するという利点がある。

 

Q10. 区分の3要素について、各要素についての概要がわかるように具体例を挙げながら述べなさい。⇒p.109

 区分の3要素とは、以下の3つである:

  ①区分原理(区分特性)…区分を行う際の一定の原則・基準

  ②非区分体(類概念)…区分される対象

  ③区分肢(主概念)…区分された各部分

 例えば、ジュースという非区分対に、材料と言う区分原理を適用した場合、オレンジジュース、アップルジュース、人参ジュースなどの区分肢が得られる。