近畿大学通信で司書資格を取得した記録

近畿大学の通信課程で図書館司書資格を取得しました(2018年度)

はじめに:基本的なこと

2018年4月~2019年3月にかけて、近畿大学通信教育部で科目履修生として司書資格を取得しました。

勉強の過程において過去にこの講座を受講した諸先輩方の記録が非常に役立ったので、私もこれから司書課程を学ぶ方々に少しでもお役に立ちますよう、拙いながらも記録としてレポートやテスト課題を残したいと思いました。

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図書館制度・経営論 科目終末テスト(回答例)Q16~Q20

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

 

Q16. 図書・資料の資産・非資産の区分例を挙げ、説明してください。⇒p.90-91

 資産・非資産の区分には、次のような方式がある。

  1. 資料の形態による区分…新書・文庫、ブックレットなど安価で一つのグループとして排架できるようなもの、問題集・就職本・旅行ガイドブックなど1~2年程度で新しいものと入れ替えが必要になる図書は消耗品扱いと市、それ以外は資産扱いにする方式で、図書館の環境条件をよく見て判断する必要がある。
  2. 図書の価格による区分…図書の内容で評価・区分することが大変困難であるため、公認会計士の助言等により、図書価格で資産・非資産の区分を行う方法であるが、大学図書館の会計処理の指導上、望ましいことではない。
  3. 製本の有無による区分…学術雑誌等を1年ごとなど数冊分を統合し、ハートカバーを付けて製本する場合には、図書として扱うことが学校会計基準上、認められており、大学図書館では、製本価格をもって図書価格とし、資産計上が可能になる。

 いずれの方式も、大学では資産支出額に相応して国から補助金が出ることなどから、非資産の区分は大学として重要な政策決定である。

 

Q17. レファレンスサービスの直接業務を挙げ、それぞれについて簡潔に説明してください。⇒p.103-108

レファレンスサービスの直接業務には以下のものがある。

  • 質問の処理…レファレンス業務の中枢的サービスで、最初にレファレンスインタビューによって調査範囲や政策決定をし、次に具体的調査が展開される。事実調査に関する「事項調査」と、どんな資料があるか、どこにあるかなどを調べる「資料調査」がある。図書館業務の中で最も専門職性の強い業務であり、組織化には十分な配慮が必要である。
  • 利用教育(利用指導、情報活用能力支援)…①図書館施設・設備を使いこなせるように行う指導と、②図書館資料をつかいこなせるように行う指導がある。①は図書館ツアーや端末検索研修で、特にコンピュータ操作のみに関する指導のことはコンピュータリテラシーと呼ばれ区別される。②は文献探索法やインターネット上での情報等、情報リテラシーに関する指導が中心である。また、形態として、レファレンス係への質問の際に行われる個人指導と、図書館側が能動的に企画・展開する集団指導があり、特に大学では近年集団指導の重要性が叫ばれている。今後は、高度情報化社会と生涯学習時代の観点から、館種を超えて各図書館が情報センター機能を話す必要があるため、現代社会の利用者ニーズに合致した図書館経営を考えると、利用教育は必要不可欠なサービスである。
  • 相互協力…館種を超えて図書館同士で資料、人的に協力し合うこと。
    • 相互貸借…図書館同士が自館に無い資料を相互に貸借したり、国立国会図書館から借用する。運用のための相互協力体制や環境整備が必要。
    • 相互複写…雑誌・新聞記事等の相互貸借ができない資料について行われる複写サービス。会計手続きや事務処理なども付随するのでそうした面を含んだ運営政策を練る。
    • 相互紹介…利用者が別の図書館等の資料を利用できるよう、紹介するサービス。レフェラルサービス。事前連絡する等のルールがあるので運営上配慮が必要。
    • 相互レファレンス…時間で処理できない質問をレファレンスネットワークを通じて協力し合い、解決する。特に人的ネットワークの構築が大切なので、研修会等に職員を参加させるなど、運営政策が必要。
  • 情報検索…電子資料の検索、外部DBの検索、インターネット検索などコンピュータ機器を介して情報を検索すること。周辺環境整備や人材育成が不可欠。
  • カレントアウェアネスサービス…利用者または特定のグループに対して特定主題に関するカレント資料の情報を継続的に提供するもの。
    • コンテンツサービス…大学や研究機関から出される紀要や新着雑誌の月々の目次や随時出される総合目次をコピーして利用者に提供するもの。設置場所、担当、メンテナンス面等の運営政策が必要で、電子情報からの提供もある。
    • SDIサービス…利用者からあらかじめ登録しておいてもらった主題テーマや特定資料を適宜、迅速に資料提供するもの。
    • カレント資料サービス…利用者が速報として望むカレントなテーマを選択して雑誌記事や図書等を集めて一覧(文献目録)にしたもの。パスファインダーのうち時事問題等トピックス性の高いものもここに含まれる。
  • 書誌提供サービス…レファレンスツールとして不足している書誌がある場合に独自に作成し、利用者に便宜を図るサービスで、内容は雑誌記事文献目録、参考図書目録、特定テーマに基づく文献目録等多岐に渡り形態も印刷物だったり簡易製本だったり様々になる。パスファインダーも含まれる。
  • 読書相談…読書法についての相談サービスで、相当な専門知識が必要なため、各館員の専門主題知識への関心と研修体制を組織化の中に組み込む必要がある。また、日常業務でも選書や主題別書架管理等、自己研修環境を作る党の工夫が運営政策上必要である。
  • 情報・紹介サービス…大学図書館専門図書館や、博物館、法律相談所など図書館類縁機関や専門機関を紹介するもので、案内資料等を基に紹介されるため、資料整備が不可欠であり、またコンピュータ検索も可能のため、アクセス先情報を整理しておく必要がある。

 

Q18. 図書館の棚卸とは何か、またそのメリットについて記してください。

 棚卸は学校会計上義務付けられているもので、大学では会計監査の為に行われる棚卸業務を指す。利用者の利便と蔵書データの信頼性確保のためにも、年一回の棚卸による資料把握は必要である。メリットは以下の通りである。

  1. 不明図書を把握し、必要な図書・資料を補充できる。
  2. 資料の破損や目録データ・図書ラベルの誤りを発見し、修正できる。
  3. 不明図書の傾向を知り、対策を練る材料にできる。
  4. 不明図書か発生している期間での利用者からの質問に対して正確な現状を伝えることができ、信頼関係を維持できる。
  5. 不明図書の明確化によって予算措置が取られやすくなる。
  6. 徹底した書架整備によって、図書・資料がきれいに整理・整頓され、後方に倒れているような図書も発見できる。

 棚卸を実施する際には、管理思考が優先し、長期間の閉館など利用者中心思考を逸脱することがないように、利用者サービスとのバランス感覚が必要になる。

 

Q19. 研修の種類を挙げ、それぞれについて簡潔に説明してください。⇒p.143-150

 研修を能力開発という視点から分類すると、次の3つがある。

  1. 自己啓発研修…自己の意欲に基づく自発的な研修で、能力開発の原点とか教育の原点である。重要な部分であり、専門職性を高めることを考えれば真剣に取り組むべきで、外部研修への依存をなくし、厳しい社会変化に迅速に対応することを考え、自分たちでまず行うという基本姿勢に切り替える必要がある。具体的には、大学図書館では大学内の大学院における授業の聴講・履修や単位認定・学位認定が館員の専門性や業務処理能力を大いに高め、利用者サービスの質の向上を図ることにつながるため、経営政策の一環として考える必要がある。公共図書館では、高学歴者層への図書館サービスを適切に展開することができるようになり、図書か人の専門性を高め、社会に認知されることにつながる。
  2. 集合研修…一会場に多くの人を集め、職務に直接関係する特定テーマの下で研修する方法で、図書館の外部研修もほとんどがこの形である。内部研修では、講師招聘による目的別の研修会や講習会、講演会、公開講座等がある。
  3. OJT…業務の中において上司が個々の館員に対して職務の向上を目的として常日頃から指導するもの。業務がルーチン化されている定型的業務と、されていない否定形的業務があり、後者を扱うことを戦略的OJTと呼ぶ。内部や外部環境の変化に気づくことができる「課題形成」や解決策を模索・決定・実施し、結果を評価・反省し、再度計画を立てる「課題解決形成」を実行する変化適応能力を育成できるため、否定形的業務のほうが育成効果が高いと言われる。変化適応能力を育成するには、目的意識や目的に対する一体感という「使命感」、先入観にとらわれ事柄をありのままに認識し適切に解釈する「現実を正しく見る目」、意見の食い違い、対立、矛盾などコンフリクトを想像のばねに変えられる「創造性」の3つがポイントになる。OJTでは、自主性、能力開発(個性発揮の欲求)、成長性、責任制、貢献性という人間の高次な基本欲求に結びつくよう配慮する。

 また、個々人の能力や適性を把握するため「ヒューマンアセスメント研修」もある。

  • ヒューマンアセスメント研修
    • 知識研修…資料の知識、利用者ニーズ、会計実務、レファレンス技術等の知識などを学ぶ実務知識と、出版界の仕組み、図書館の法規等、知識を吸収することで教養を高め、実務が適切・効果的に行われることを目的とした基礎知識研修がある。
    • 技能研修…パソコン操作等の身体的技能研修と、分析力、企画力等の職務遂行能力を養う知的技能研修がある。
    • 態度研修…仕事に対する意欲、責任感、協調性などを喚起する研修。
    • 問題解決力研修…問題点を発見したり見つけたりして諸問題を解決する能力研修で、総合的能力を養うもの。既成概念を取り払い、問題を全く違った角度から考えたりする発想法研修もここに含まれる。

 図書館の研修は外部に依存してきた経験があり、目的別研修に至っていないなど立ち遅れているので、専門性を高めるうえで非常に重要な課題となっている。

 

Q20. 大学図書館を例に、図書の選定基準の項目を挙げ、説明してください。⇒p.96-97

 大学図書館の図書の選定基準の項目には、以下のものが挙げられる。

  1. カリキュラム関連資料…指定図書、推薦図書、力を入れるべき主題範囲等
  2. 自館の特色を表すもの…特殊コレクション(個人文庫など)、特色あるコレクション(社史、古地図など)、貴重書等
  3. 公共性・中立性を表すもの…思想的範囲、性等表現に関する範囲
  4. 資料形態に関するもの…文庫・新書の扱い、漫画、パンフレットの扱い等
  5. 1冊当たりの金額に関するもの…低価格本の扱い、高額本の扱い
  6. 非売品図書の収集範囲に関するもの…非売品の官公庁資料、民間企業資料の収集範囲の扱い
  7. 資料費の配分に関すること…主題別配分、研究図書配分、視聴覚資料配分、電子資料配分、学生用図書配分、リクエスト図書配分、予算費目別配分等

図書館制度・経営論 科目終末テスト(回答例)Q11~Q15

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

 

Q11. 図書館の組織(5点)を挙げ、それぞれについて簡潔に説明してください。⇒p.72-75

 以下に5つの図書館の組織を挙げるが、どの組織形態を採用しても、利用者中心思考を忘れずに各組織形態を柔軟かつ効果的に採用することが必要である。

 

(1)職能別組織(機能別組織)

 知的文化財の収集・組織・保管・提供という図書館の機能の側面から部門化した組織で、総務部、収書部、整理部、奉仕部など図書資料の流れに沿って分けられる。日本の図書館組織としては最も多く、長所としては管理コストの低さ、人材が少なくて済む、管理統制が比較的容易なことが挙げられる一方、専門家が育成しにくい、深い利用者サービスができないなどの短所もある。

(2) 主題別組織

 資料の形態を問わずに自然科学、人文科学、郷土資料など主題別に部門化し、それぞれの下に収書係、サービス係など職能別組織を作る。

 管理経費が多くかかるという短所がある一方、図書館員が特定の専門主題に関してキャリアを蓄積できるため主題専門家の育成が可能で、利用者側も専門的サービスを受けられるという大きな長所があることから、導入の効果が非常に高い。「主題別閲覧制度」と呼ばれる閲覧部門に主題別を一部取り入れた制度を郷土資料室などで採用している公共図書館もあり、どのような規模の図書館においても一定の主題別組織を導入することは利用者にとってメリットが大きい。

(3)利用者別組織

 利用者の別によって組織化を行うもので、大学図書館ならば、学部学生・大学院・研究者図書館がある。利用者別組織を閲覧制度に導入した場合には、大学図書館ならば学部学生・大学院・教員閲覧室に、公共図書館ならば成人・児童・障がい者閲覧室等になる。

(4)資料別組織

 資料の形態別に組織化を図るもので、雑誌・新聞部門、逐次刊行物部門、参考図書部門、視聴覚資料部門、貴重書・古典籍部門、特殊資料部門、地方資料部門、言語資料部門、地域研究資料部門、マイクロ資料部門、電子資料部門などに分ける。利用者別組織同様に、閲覧制度のみに資料別組織を導入する図書館もある。

(5)混合組織

 前述の4つの組織を複合的に組み合わせた組織で、日本の図書館では混合組織を選択している場合が多い。基本的には機能別組織を採用しながらも、閲覧制度には主題者別、利用者別または資料別組織を導入する場合や、雑誌・新聞や視聴覚資料などについて独立した係がいて、各係が資料の選定から提供までを一元的に処理する資料別組織を一部導入している場合がある。

 

Q12. 主題別組織の長所と短所を挙げ、記してください。⇒Q11の(2)と同じ

 

Q13. 費目区分の種類を挙げ、それぞれについて記してください。⇒p.91-92

 図書館資料は資産・非資産に区分するが、さらに固定資産・備品・消耗品等の費目別に区分する必要がある。

  1. 固定資産と消耗品に区分…図書を固定資産(永年保存)と非資産(消耗品)の2区分に分ける方式で、大学図書館で多くみられる。
  2. 固定資産と備品、消耗品に区分…開架図書を備品、文庫・新書、問題集等安価なものや1年程度で使用に耐えなくなるような図書を消耗品と市、書庫に排架する高価な図書や研究書を固定資産として扱う方式で、大学図書館で見られる。開架図書を備品(流動資産)として扱うことで、破損した資料等を比較的容易に廃棄できるという利点がある。
  3. 備品と消耗品…図書の一定価格を境に備品と消耗品の二つに区分する方式で、公共図書館に多く見られる。一定価格の境は自治体・図書館によって異なる。
  4. 固定資産のみ…図書のすべてを固定資産(永年保存)とする方式で、大学図書館で見られる。大学では固定資産については「基本金組み入れ金」として処理されるので、資産の過大評価をもたらすという欠点がある。
  5. 備品のみ…資料の価格に関係なくすべての資料を備品(流動資産)とする方式で、公立図書館にみられる。備品耐用年数規定がある場合にはこの期間を過ぎた図書について容易に廃棄できるという利点がある。
  6. 消耗品のみ…すべての資料を消耗品として扱う方式で、米国では「図書はすべて消耗するもの」という考え方があるが日本では図書は大切な資産という考えが強いため、主として企業資料室や外国資本の団体資料室でみられる。消耗品は資産勘定されたものより会計処理や除去等の関連業務が迅速に行える場合が多いので、業務の効率化につながる。

 費目の区分の方式によって付随する業務が異なってくることを認識し、形成政策を考える必要があり、また消耗品だからという理由で蔵書点検や資料のデータベース化をしないという理由にはならないので注意が必要である。

 

Q14. 図書館に関する規定の整備について記してください。⇒p.77

 組織を有効に動かすためには内部業務の制度化が必要であり、以下の3つを基本とする図書館に関する規定整備は図書館活動を行う際の基本的要件である。

  1. 図書館利用規則…貸出・閲覧・督促・相互協力・利用上の注意・レファレンスサービス・希望図書等、利用に関することを明文化した規則
  2. 図書館管理規程…図書資料の管理面に関することを明文化したもの
  3. 委員会規程…図書館運営を行うために必要な会議体に関する規程(図書館運営委員会規程など)

 これら3つの基本規定を整備し、必要に応じて下部規定を制定する。規定制定時には、親機関との整合性がとれるよう、関係性や対応性を確認し、必要に応じて親機関の担当部署などと調整し、正式な検討機関に提案し、審議してもらう必要がある。

 また、図書館業務の範囲を定め、仕事の基本となる「事務分掌規程」や、業務を遂行するための手引きとなる「スタッフマニュアル」の作成も重要である。

 

Q15. 整理部門の組織化について説明してください。⇒p.99-101

整理部門は、図書・資料の分類、目録、葬儀業務を中心に行う。

  1. 分類業務…受け入れされた図書に日本十進分類法(NDC)等による主題分類を付すもので、通常、図書ラベルの上の段に表示される。近年のコンピュータの発達により、分類検索よりもキーワード検索が中心になってきたため、利用者からみれば図書の所在場所を知らせるアドレス的役割が強くなってきている。
  2. 目録…著者、書名、出版社、出版地、出版年、叢書注記、全集類の内容記載等の書誌事項を記載したものを指し、近年はコンピュータ作成による書誌データ形式がほとんどである。
  3. 装備…図書の背に図書ラベルを張ったり、破損しやすい図書にフィルムをかける作業等を言う。帯等についている著者紹介などを切り取り、本の裏表紙等へ張り付ける作業もある。

 近年は、図書館のコンピュータ化が進み、NIIや国立国会図書館のJP MARCなど外部データベースを活用して分類・目録作業を行う図書館も多い。また、図書館流通センター(TRC)等の専門的なカタロガーがいる会社に外部委託することも多く、その場合は整理部門自体を置く必要がなくなり、連絡窓口担当者のみを置くことも可能である。しかし、図書館利用者に不便をかけないことが図書館政策決定の本質であるので、より良質な書誌データを作成するためにも、利用者の特色や予算規模等の図書館環境を十分に検討したうえでどのような形態で整理業務を行うのかを慎重に検討する必要がある。

 

図書館制度・経営論 科目終末テスト(回答例)Q6~Q10

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

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<設問>

 

Q6. 5つの経営管理機能を挙げ、それぞれについて説明してください。⇒p.43-44

 管理の5つの働きを5つの経営管理機能という。①~③を管理の基本機能と言い、④⑤を管理の促進機能という。

  1. 計画(プランニング)…職場の目的・目標を設定し、達成するための活動計画を作成することで、将来を研究し作成する長期計画、」予算化して具体的な実行計画をたてる短期計画、中間の中期計画がある。
  2. 組織化(オーガナイジング)…人・者・金(財)という三大経営資源を結びつけ、目的・目標を達成するため、活動計画を効果的かつ円滑に果たすことができるよう、仕組みを作ったり、運用のためのルールを作ったりすること。具体的には、一人一人に仕事を分担したり、課や係などを作ったり、各職位の権限や責任を定めたりして、全体が一つの目標に向かって行動できるようにすること。
  3. 統制(コントローリング)…計画通りに進んでいるかプロセスと結果を測定・評価し、当初の計画との差異を発見・是正したり必要な措置を講ずること。
  4. 動機付け(モチベーション)…人は重要な経営資源であることから、仕事に対する意欲を高めるために働きかけること。
  5. 調整(コーディネーティング)…全体的な目標達成に向けて、個人の活動や部門などグループの全活動を統合し、全体として調和がはかれるように働きかけること。

 

Q7. 社会変化情報における社会変化の要因を挙げ、説明してください。⇒p.61-62

  1. 情報環境の変化…目覚ましい情報技術の発展に対応できる施設・設備を用意するとともに柔軟な」運営システムや組織の構築をし、時代に求められる情報センター的機能をもてるようにする。
  2. 高齢化社会高齢化社会の到来により、図書館の施設・設備を高齢者に優しいものにしたりすることで、増加が予想される高齢者のレカレント教育に資するものとする。
  3. 高度学歴化社会…高学歴な国民が増えていることから、レファレンスの高度化、サービスの質の向上、情報機器の高度化などから、図書館サービスの専門性が強く要望される時代に対応する。
  4. 少子化社会…人口動向の変化をとらえ、サービス中心層の変化や大学図書館の社会人や地域への開放などに対応して、予算配分、選書、閲覧室の運営の仕方などを変化させる。

 

Q8. 国立国会図書館の意義を説明してください。⇒p.50-51

 以下の4つなどがある。

  1. 国民全体に奉仕する
  2. 国内出版物の網羅的収集と保存
  3. 国内出版物のすべての提供
  4. 国内出版物のすべての情報の提供

 これらを可能にするため、納本義務制度の法的対処が取られている。また、電子図書館化によって、どこの図書館からも電子化された情報を容易に入手することができ、機能を大幅に向上できることから、ネットワークを重視する図書館経営において、こうした国立国会図書館の存在は重要である。

 

Q9. 部門別の種類を挙げ、それぞれについて説明してください。⇒p.68-69

 タスクを通じて組織の目的を達成するため、課業(タスク)を一定の方法で統一・統合していくことを組織の部門化と言い、以下が挙げられる。

  1. 職能(機能)別部門化…共通又は類似のタスクや職務を集めて同じ組織単位にする方法。図書館では総務、収書、整理、奉仕部門などに分ける。
  2. 製品別部門化…製品の種類ごとに組織単位にする。図書館では資料別になる。
  3. 地域別部門化…経営の規模が大きくなり、国内・郊外に活動の場が広がったような場合にみられる組織単位。図書館では○○キャンパス図書館など。
  4. 顧客別部門化…顧客別に大きな市場(マーケット)を持っている場合にその顧客別に組織単位を作る方法。図書館では、大学院図書館、研究図書館、児童図書館など。
  5. 市場別部門化…市場別に区分する。企業では衣類、おもちゃ、書籍など。
  6. 工程別部門化…一般に向上で行われるもので、連続型(仕事の工程ステップごとに部門化。コンベアーラインなど)とユニットアセンブリ型(完結する仕事を単独またはグループの単位で部門化。1人でのパソコンの組み立てなど)がある。
  7. 直接・間接部門化…製品に直接関係のある直接部門と、直接部門を援助する立場にある間接部門(総務など)とに分ける。製造業に多く見られる。
  8. プロジェクト別部門化…ある特定の大きな仕事を完遂するため必要な知識や技能を持ったメンバーを集めてグループ化したもの。図書館では、展示会のプロジェクトチームや、利用教育の実行委員会など。
  9. その他(フラット型、マトリックス型)

 

Q10. 図書館界の変化情報について記してください。⇒p.63-64

  1. 関係団体の方針・方策…日本図書館協会など、様々な図書館団体で決議されたことや申し合わせは、ネットワークの中で運営されている図書館にとっては十分考慮する必要があるので、関係団体の動向情報は図書館政策に不可欠である。
  2. 主体的・自律的変化…図書館そのものが経営合理化等により、自主的・主体的に変化するもの。各図書館事情の動向に関する情報も図書館経営にとって大変重要である。
  3. 親機関からの変化…私立の公共図書館以外はすべて親組織があり、その下部組織に位置しているので、親機関の方針は直接、図書館経営に影響する。

 以上のように、図書館は母体となる親機関を持ちながら、同時に図書館界という世界にも属しているため、図書館経営は、縦軸の親機関と横軸の図書館界の動向にも大きく左右されることになる。

 

図書館制度・経営論 科目終末テスト(回答例)Q1~Q5

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※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

Q1. 館種別に図書館を挙げ、それぞれについて法律との関係を説明してください。⇒p.2、4

 

Q2. 図書館法第3条の条文の改正理由について記してください。⇒p.10-13

 旧法では「図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し得るように留意し、おおむね左の各号に掲げる事項の実施に努めなければならない」とあったが、「…家庭教育の向上に資することとなるように留意し…」が追加され、これに関連して図書館協議会の委員に家庭教育の専門家(ただし範囲は不明確で選定は菅長の裁量に任される)を加えるべきことが求められた。

 この条文の改正は、60年ぶりに改正された教育基本法で新しい時代の教育理念、生涯学習の理念家庭教育並びに学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力に関する規定等が新設され、社会教育行政の体制整備を図ることになったため、社会教育三法(社会教育法、図書館法、博物館法)も連動して改正されることになったからである。

 また第3条の1に図書館資料に「電磁的記録」(CD、DVD等)が新規追加された。

 

Q3. 指定管理制度とは何か、説明してください。⇒p.35-39

 2003年6月に地方自治法が改正され、企業経営的な手法により効率的で質の高いサービスの提供を目的として、指定管理者制度が導入されたことで、図書館も指定管理者制度の対象となった。

 地方自治法では、①正当な理由のない利用の拒否や差別的な取り扱いの禁止、②地方公共団体の条例で業務範囲等を定める、③毎年度末に事業報告を提出する、④業務や経理の状況に関し報告を求め、実地調査を行い、必要な指示を出すことができる、⑤指定を取り消しまたは管理業務の全部または一部の停止を命ずることができる、⑥処分に対して地方自治体の長に審査請求を行うことができる、などして、責任の所在を明確にしている。

 図書館での導入においては、図書館法が特別法で地方自治法は一般法であることから、図書館法が優先される関係にあるので図書館法を尊重する必要がある、教育基本法において社会教育は教育委員会が担うべきと言える、管理期間の限定による専門性の欠如、サービス向上のためよりもコストカットに重点が置かれがちであること、館長の設置・任命に関する図書館法との矛盾など問題がある。

 

Q4. 個人情報保護法とは、どのような法律か記してください。⇒p.29

 個人情報とは生存する個人の情報であって、特定の個人を識別できる氏名生年月日などの情報を指し、これには、ほかの情報と容易に照合することができることによって特定個人を識別することができる情報(学籍番号など)も含まれるとされる。

 個人情報保護法では、過去6か月以内のいずれの時点においても5001件を超える個人情報を個人情報DB等として所持し事業に用いている事業者は個人情報取扱事業者とされ、その事業者が主管大臣への報告や改善措置に従わない等の適切な対処を行わなかった場合は事業者に刑事罰が科され、公立の図書館や大学図書館等でも適用される。

 個人情報保護法では、個人情報を取得する際には個人情報の利用方法を本人に明示しなければならないと定めるため、個人情報の利用範囲の明示は必須であり、図書案利用規則同様に、文書で公開しておく必要がある。

 実際の図書館業務においては、登録名簿の外部流出だけでなく、読書履歴の漏れなど人権問題にも関わる個人情報があるので、館員の守秘義務体制にも十分配慮し、危機管理体制が不可欠である。

 

Q5. 管理の目的を挙げ、それぞれについて説明してください。⇒p.44-45

 経営活動の3区分(経営活動、管理活動、作業活動)のうち、管理活動の目的は、以下の3つである。

  • 高い成果の実績を上げ続ける…職場の当面の目標が能率的に達成され、将来のために仕事の進め方や改善・改革の布石がなされていること。
  • 働きがいを作る…①給与・福利厚生等の経済的欲求、②」社会の役に立ちたいという社会的欲求、③自律的に仕事ができかつ仕事が自己実現に結びつく個性発揮(適材適所)の欲求に対して働きかけ、働く人々が能力を高め、働き甲斐を感じてもらうこと。
  • チームを成長させる…連帯感の強化、使命感の強化、開かれた話し合いで、職場チームを成長させること。

図書館制度・経営論 科目終末テスト(設問)

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

Q1. 館種別に図書館を挙げ、それぞれについて法律との関係を説明してください。⇒p.2、4

Q2. 図書館法第3条の条文の改正理由について記してください。⇒p.10-13

Q3. 指定管理制度とは何か、説明してください。⇒p.35-39

Q4. 個人情報保護法とは、どのような法律か記してください。⇒p.29

Q5. 管理の目的を挙げ、それぞれについて説明してください。⇒p.44-45

Q6. 5つの経営管理機能を挙げ、それぞれについて説明してください。⇒p.43-44

Q7. 社会変化情報における社会変化の要因を挙げ、説明してください。⇒p.61-62

Q8. 国立国会図書館の意義を説明してください。⇒p.50-51

Q9. 部門別の種類を挙げ、それぞれについて説明してください。⇒p.68-69

Q10. 図書館界の変化情報について記してください。⇒p.63-64

Q11. 図書館の組織(5点)を挙げ、それぞれについて簡潔に説明してください。⇒p.72-75

Q12. 主題別組織の長所と短所を挙げ、記してください。⇒Q11の(2)と同じ

Q13. 費目区分の種類を挙げ、それぞれについて記してください。⇒p.91-92

Q14. 図書館に関する規定の整備について記してください。⇒p.77

Q15. 整理部門の組織化について説明してください。⇒p.99-101

Q16. 図書・資料の資産・非資産の区分例を挙げ、説明してください。⇒p.90-91

Q17. レファレンスサービスの直接業務を挙げ、それぞれについて簡潔に説明してください。⇒p.103-108

Q18. 図書館の棚卸とは何か、またそのメリットについて記してください。

Q19. 研修の種類を挙げ、それぞれについて簡潔に説明してください。⇒p.143-150

Q20. 大学図書館を例に、図書の選定基準の項目を挙げ、説明してください。⇒p.96-97

 

 

 【感想など】

なぜこのタイミング(すべての科目のちょうど真ん中くらいの時期)にしたのか、覚えていないです…多分ふつうは最初の方にやる科目な気がします。

図書館情報技術論 科目終末テスト(回答例)Q16~Q20

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

 

Q16. 電子ジャーナルについて、そのメリットとデメリットについて少なくとも3点ずつ挙げて説明してください。(1000文字程度)⇒p.111

 電子ジャーナルとは、デジタル化された雑誌の本文をネットワークに接続されたパソコンから利用できるようにしたもので、オンラインジャーナルとも呼ばれる。

 電子ジャーナルは、①機能面、②環境面、③契約・管理面でメリットとデメリットがある。メリットとしては、以下のものがあげられる。

  • 機能面・・・速報性がある、非出版データも掲載される、論文単位で全文入手できるなど
  • 環境面・・・同時に複数論文が利用可能、電子ジャーナルでしか提供されない雑誌もある、外出先からも利用可能
  • 契約・管理面・・・管理場所が不要、法人契約のため所属の全員が利用可能、未着・欠号チェックが不要、製本作業が不要

デメリットとしては、以下のものがあげられる。

  • 機能面・・・ページをめくりながら周辺情報を入手するというブラウジングができない。
  • 環境面・・・モニターによる目の疲れがある、停電時に利用できない
  • 契約・環境面・・・契約費用が毎年増加して予算管理が困難、契約が煩雑、継続判断が困難、雑誌の提供元が安定しない。

 メリットとデメリットを比較すると、利用者への機能・環境面のメリットが大きく、電子ジャーナルの提供を一度開始すると、中止は非常に困難である。一方で、契約・管理面では、図書館側にとっては年々増加する契約費用や、契約手続き、継続判断が問題となっている。それでもメリットの大きさから、大学や研究機関、企業では冊子体から電子ジャーナルへ移行せざるを得ない状況になっている。

(624文字)

 

 

Q17. デジタルアーカイブについて説明してください。また事例を一つ上げて紹介してください。(1000文字程度)⇒p.119-127

 デジタルアーカイブとは、保存・活用のためにデジタル化された資料(通常は歴史・文化的に価値のある資料)のデータベースなどを指す和製英語であり、デジタルアーカイブ化することをデジタルアーカイビングという。電子媒体は経年劣化がなく、永久的に保存することが可能であるうえ、インターネット上で全世界に公開できるので、「知のインフラ」とも呼ばれ、各国で導入が進んでいる。

 デジタルアーカイブは、その成り立ちから、3種類に分けられる。

  • アーカイブのデジタル化・・・古文書など現物があるものをデジタル化したもの
  • 収蔵物の整理を行いながらのデジタル化・・・目録整備とデジタル化を同時に進めるもの
  • デジタル化したもののアーカイブ化・・・散在するものを集約し統合したアーカイブ

 また、デジタルアーカイブは、国・地域や文化にとって、以下の意義がある。

  • 映像・画像遺産の保全・・・国や地域の文化遺産を消滅の危機から守る
  • 文化遺産の継承・・・経年劣化が進む歴史的有形文化財や、途絶えるかもしれない無形文化財を記録し構成に継承できる。
  • 地域映像の継承・・・今日の地域の姿を記録することで、郷土学習への活用や次世代への継承を図る。
  • 地域産業の活性化・・・地場産業が共同利用できる商品やデザインをデジタルアーカイブすることで、地場産業の活性化を図る。

 また、デジタルアーカイブは、インターネット上で時間的・地理的制約を超えて資料を提供でき、様々な角度から資料の検索を行えることから、新たな活用や評価につながる。ほかにも、デジタルアーカイブによって、貴重資料を容易に提供したり、デジタル資料を加工したり組み合わせたりして新しいコンテンツを作成したりできる。

 日本では、国立国会図書館デジタルアーカイブ「PORTA」をかつて提供していた。これは、各機関のデジタルアーカイブに格納された資料を、期間横断的にワンストップで検索できるポータルサイトであった。PORTAでは、57機関の2800万件(2010年9月時点)ものデジタル資料を検索でき、国立国会図書館の資料としては、国立国会図書館デジタルコレクション、近代デジタルライブラリー、歴史的音源などのデジタルアーカイブなどが含まれる。国立国会図書館以外のものとしては、①公的機関のアーカイブ、②大学・大学図書館アーカイブ、③公共図書館アーカイブ、④民間機関のアーカイブ青空文庫など)もPORTAは対象としている。これが、2012年1月以降に国会図書館サーチに統合され、各機関のデジタルアーカイブの資料はここから検索できるようになった。

(1084文字)

 

 

Q18. 図書館の地域社会貢献という目的のために、どういう戦略がありますか?少なくとも3件挙げて説明しなさい。(1000文字程度)⇒p.121

 図書館は、デジタルアーカイブを活用して地域社会に貢献できる。デジタルアーカイブは、国・地域や文化にとって、以下の意義がある。

 

①映像・画像遺産の保全・・・国や地域の文化遺産を消滅の危機から守る

文化遺産の継承・・・経年劣化が進む歴史的有形文化財や、途絶えるかもしれない無形文化財を記録し構成に継承できる。

③地域映像の継承・・・今日の地域の姿を記録することで、郷土学習への活用や次世代への継承を図る。

④地域産業の活性化・・・地場産業が共同利用できる商品やデザインをデジタルアーカイブすることで、地場産業の活性化を図る。

 

このうち、①については、例えば地域の祭りの映像を残すことで、後世に文化遺産を残すことになる。②については、例えば○○では地域の特産である▲▲を継承するため、▲▲会が動画を記録・保存しているが、これを地域の公立図書館等で収集・公開できれば、地域の文化遺産の継承となるだろう。③については、例えば○○では□□が建設される前に、一部の地域で工事が始まる前の様子を映像や写真で残す取り組みがあった。現在散逸しているこれらの資料を集めて公開できれば、郷土学習への活用につながるだろう。また、○○では★★もデジタルアーカイブとして残すプロジェクトにも取り組んでおり、○○ゆかりの★★を紹介する動画を「★★」プロジェクトとしてデジタルアーカイブ化している。④については、例えば○○が、豊かな文化資産を最先端の情報技術で記録・保存し、世界に向けて発信するためデジタルアーカイブ・プロジェクトとしての「☆☆」を平成●~●年まで続けていた。

 このように、地域の資源を地域で活かすため、デジタルアーカイブ化が有用である。(757文字)

 

 

Q19. ICタグの問題点を記載し、そのうちどれか一つの対応策(改善策)について、ご自身の考えを提案してください。⇒p.94-98、資料p.64

 ICタグは正式にはRFIDタグと言い、大量の情報を蓄積できるほか、従来のバーコードと異なり一度に大量の読み取りが可能であるため、貸し出し・返却作業の合理化や、自動貸出の実現、蔵書点検の効率化など、様々なメリットがある。

ただし、ICタグはバーコードと比較して価格が高く、張替えが煩雑で、情報が図書館以外の第三者によって読み取られる危険性があることなどから、日本の図書館での導入は進んでいないのが現状である。

 価格や張替については、技術面の進歩による改善を期待するが、情報漏洩の危険については、使用する側の注意・工夫によってある程度改善できると考えられる。日本図書館協会も2010年に「図書館における RFID 導入のためのガイドライン」を制定しており、そのなかで、プライバシー保護についてうたっている。

 そういった状況下で、図書館でICタグの利用を進める場合は、まずは、システム利用開始を利用者に事前に知らせ、コンセンサスを得ることが肝心であろう。利用者に啓もうを進める中で、技術の進歩により、第三者によって読み取られる危険性がより少ないICタグの開発が望まれる。

 それでも、ICタグ導入館を対象とした調査では、問題はあるものの、利用者・図書館の両者がICタグの利便性の高さに恩恵を受けている旨の回答が複数見られたことから、より安価で機能の安定したICタグが提供されるようになれば、図書館での利用は爆発的に広がるであろう。

 

 

Q20. デジタルレファレンスサービスについて、旧来のレファレンスサービスとの違いを挙げて説明しなさい。⇒p.103

 近年のインターネットの普及に伴って、従来は手紙や電話、FAXで行われていた非来館者へのレファレンスサービスが、メールやオンラインチャットを活用したデジタルレファレンスサービスへと本格的に移行してきている。

 アメリカでは1980年代からメールによるレファレンスサービスが始まり、1993年には、米国議会図書館がメールによるレファレンスサービスを開始、2002年にはAsk a Librarianというチャットも含めたデジタルレファレンスサービスを提供し始めた。

 従来の対面型レファレンスサービスは、ライブラリアンが利用者に的確なレファレンスインタビューを実施することで、館内もしくは館外の適切な資料及び情報を提供する流れであった。

 しかし今、インターネットで瞬時に情報を集めることに慣れた利用者は、高度な質問をする傾向にあり、その上質問したらすぐに答えを欲しがる傾向が強くみられる。そのため、デジタルレファレンスサービスは合理的な運用が欠かせない。例えば英国図書館では、オンラインレファレンスでは1つの質問に答える時間は30分以内と定め、それ以上かかる場合は有料のリサーチサービスを紹介している。また、複数の機関による協力レファレンスも試みられている。協力レファレンスでは、質問内容により適した機関に回送される仕組みを構築したり、時差を利用して24時間サービスを提供したりしている。ただし、協力レファレンスは参加館の負担が大きいために縮小傾向もみられる。

 また近年では、SNSを活用したレファレンスもみられる。ベルギーの共同レファレンスサービスでは、facebookに投稿された質問に、ライブラリアンがページ上で答える。ほかにも、フランスでは、オンラインで質問をすると、即座にその質問が図書館のサイトで公開され、72時間以内に回答が追記される例もある。こういった形式のレファレンスサービスは、従来のレファレンスサービスとは異なり、副次的に広報力向上の側面もあり、図書館への親しみが増す傾向にあるという。

 現在の情報化社会の中で、図書館の来館者数よりも図書館のウェブサイトへの訪問者数の方が圧倒的に多いことがほとんどである。そのため、デジタルを窓口とし、従来のレファレンスサービスにとらわれずに、利用者と情報とを柔軟に結びつける役割が求められているだろう。

(975文字)

図書館情報技術論 科目終末テスト(回答例)Q11~Q15

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

 

Q11. 自分の市町の図書館のサイトにアクセスし、そのトップページがだれにでもわかりやすくできるか、あなたが気付いた使いやすい点と使いにくい点を1つずつ紹介してください。(1000文字程度)

 ○○図書館のウェブサイトのトップページの利点としては、トップページに簡易検索窓がついていることである。近年、検索エンジンに慣れた利用者は、とにかく単語を入力して検索する傾向にある。そのため、まずは検索が容易にできるよう、工夫が必要で、その点でこのページは評価できる。また、トップメニューの「カレンダー」をクリックすると、すべての館・分館の名前がわかりやすく並べられたページに行き、目的の館をクリックすると、その日、その図書館が開館しているかどうかすぐにわかようになっている。さらに言えば、トップページに○○館が「いま開館しているかどうか」が一目でわかる工夫があると更に多くの利用者にとってやさしいといえるだろう。

 一方で、詳細検索ページに行きづらい難点もある。トップメニューに並んでいる「資料検索・予約」バナーや、近くに設置された「資料検索・予約」アイコンをクリックすると、資料検索等の説明が記載された「トップメニュー」ページにリンクされており、そのページでもう一度「資料検索・予約」をクリックしてようやく詳細検索ページにたどり着ける。一方で、トップページをスクロールして現れる「資料検索・予約」という文字からのリンクをクリックすると、一度で詳細検索ページにたどり着ける。利用者は一刻も早く検索画面に行きたいので、トップメニューのリンク先も、詳細検索ページにしたほうが効率的だろう。

 また、詳細検索ページに行けばようやく「English」の文字が出てきて、英語サイトに移行できるが、トップページには多言語対応の表記が全くない。これでは日本語のわからない居住者はこのサイトは全く使えない。また、英語ページでも、資料種別が図書、雑誌など日本語のままで表示されているなど、多文化共生社会への対応が遅れている印象を与えてしまっている。

 インターネットの発展した今日では、ウェブサイトはいわば「玄関口」であり、図書館の顔にも匹敵すると言えるだろう。○○図書館は、さらなる努力が必要であろう。

 

 

Q12. 適切文書入手機能であるリンクリゾルバとはどういうものか、機能を説明し、例としてどういうものがあるのかも紹介してください。(1000文字程度)⇒p.102、参考p.67

 利用者に情報資源へのアクセス方法などを示すシステムをリンクリゾルバという。インターネット上の情報資源が増えたことで、利用者にいかに効率よくアクセスを提供するかが課題となっている。特に大学図書館は、自館の所蔵資料、機関リポジトリ、電子ジャーナル、オンラインデータベース、ILL可能な他館の情報など、多種多様なアクセス方法が混在しており、検索者が自分で効率的な入手経路を見つけることが難しいため、リンクリゾルバを用いたリンキング手法が確立された。

 従来の直接リンクを貼るリンキング手法は、オンライン上の資料のURLが変更されると対応できなくなるという短所があったため、リンクリゾルバでは、リンク情報を管理しつつ利用の状況に応じて最適のリンク先を決定するシステムが提案された。リンクリゾルバは、文献データベースから該当分権に対するメタデータを受け取り、直接リンクに相当するURLを生成する。それを効率化するために、URLの中に当該情報源のメタデータを埋め込むOpenURLが生まれた。

 現在、大学図書館で広く利用されているリンクリゾルバシステムには、ExLibris社のS.F.Xがある。○○大学でもSFXを利用している。例えば、○○大学専用のPubMedにアクセスし、論文を検索した場合、検索結果に表示された「Find it @○○大学」のアイコンをクリックすると、SFXメニューが表示される。「フルテキスト」にリンクが表示されればクリックすれば電子ジャーナルなどの全文にすぐにたどり着ける。フルテキストが利用できない場合は、「フルテキストへのリンクはありません。」と表示されるため大変わかりやすい。その場合は、大学のOPACの検索結果が表示されれば紙媒体での入手を、それもない場合は、「文献複写を申し込む」をクリックすれば、他大学などからの入手の手続きがオンラインでその場でできるようになっている。(804文字)

 

 

Q13. 図書管理システムの基本的かつ主要な機能について、概要を説明してください。⇒p.90-93

 図書館の業務やサービスを行うシステムを図書館システムと言い、現在では、OPACと貸し出しシステムが連携した統合図書館システムが利用され、①蔵書管理システム、②予算管理システム、③統計処理システム、④目録システム、⑤貸し出し返却システム、⑥マイライブラリー、⑦予約とリクエストなどの主要システムがある。

  • 蔵書管理システムは、(1)図書管理システムと(2)雑誌館システムに分かれる。
    • 図書管理システムは、選書・発注/購入・登録/削除を行う。
    • 雑誌管理システムは、冊子体の雑誌を管理する。
  • 予算管理システムは、資料購入費や備品・消耗品購入費を管理する。
  • 統計処理システムは、貸出件数や予約件数、蔵書件数、発注件数、支払い費用、除籍件数など、図書館システムを使って業務をすれば自然に得られる統計(業務統計)を管理しており、これを解析することで業務改善等につながる。
  • 目録システムは、近年はオンラインで利用できるウェブOPACがほとんどである。
  • 貸し出し・返却システムは、利用IDと資料IDを関連付けて、だれがどの資料を借りているのかを管理する。バーコードが主流だが、今後はICタグを利用したRFIDの利用増加が期待できる。
  • マイライブラリーは、最近多い機能で、利用者ごとにその人専用の情報を提供する。自身の貸し出し状況や予約状況を確認できるほか、指定したキーワードに該当する資料が図書館に入ったら知らせてくれる「選択的情報提供(SDI)サービス」もある。
  • 予約とリクエストは、貸し出し中の資料が戻ってきたときに優先的に利用権を得られる「予約」や、図書館にない資料をほかの図書館から取り寄せたり購入を依頼したりできる「リクエスト」などのサービスを提供する。

(728文字)

 

 

Q14. 国立国会図書館サーチについて説明しなさい。特にNDL-OPACと異なる点を取り上げ、その有用な点を述べてください。(1000文字程度)⇒p.105、127

 国立国会図書館サーチは、国立国会図書館が提供している検索サービスで、多様な機関から集めた各種の情報を統合的に検索できる。国会図書館所蔵の全資料のほか、都道府県立図書館、政令指定都市の市立図書館の蔵書、国立国会図書館やほかの機関が収録している各種のデジタル情報も探すことができる。

 従来の「国会図書館OPAC」は、平成30年1月に「国会図書館オンライン」にサービス変更されたが、これは、国会図書館の所蔵資料または国会図書館で利用可能なデジタルコンテンツを検索するため、国立国会図書館所蔵資料の検索や遠隔複写等の申込みに便利である。一方で、国立国会図書館サーチは、全国の公共・大学・専門図書館公文書館、美術館や学術研究機関など様々な機関の所蔵資料を統合的に、より幅広く検索できるようになっている。

 また、デジタルアーカイブについては、もともとは「国立国会図書館デジタルアーカイブ(PORTA)」というサービスが提供されており、これは、各機関のデジタルアーカイブに格納された資料を、期間横断的にワンストップで検索できるポータルサイトであった。これが、2012年1月以降に国会図書館サーチに統合され、各機関のデジタルアーカイブの資料はここから検索できるようになった。PORTAでは、57機関の2800万件(2010年9月時点)ものデジタル資料を検索でき、国立国会図書館の資料としては、国立国会図書館デジタルコレクション、近代デジタルライブラリー、歴史的音源などのデジタルアーカイブなどが含まれる。国立国会図書館以外のものとしては、①公的機関のアーカイブ、②大学・大学図書館アーカイブ、③公共図書館アーカイブ、④民間機関のアーカイブ青空文庫など)もPORTAは対象としている。

(738文字)

 

 

Q15. 機関リポジトリについて説明してください。どのような目的の時に利用すると便利であるかという点を含めて記載しなさい。(1000文字程度)⇒p.104、資料p.67

 大学図書館を中心として、所属メンバーの学術的文献や研究発表資料、授業資料などを蓄積・検索できるようにしたデータベースを「機関リポジトリ」といい、通常はインターネット上で無償で公開されている。

 「機関リポジトリ」は「大学及び研究機関で生産された電子的な知的生産物を補足し、保存し、原則的に無償で発信するためのインターネット上の保存書庫」と定義されるが、大学の研究成果のPRや利用促進につながるだけでなく、商業出版者の雑誌に投稿した研究成果である論文を高額な費用をかけて入手しなくてもよいように自ら無料で広く公開することも目的としている。

 近年は特に、「査読された雑誌論文の国際的、電子的流通及び無料で制約のないそれら論文へのアクセス」を目指す世界的なオープンアクセスの流れを受けて、機関リポジトリでの論文の電子化や公開がすすめられている。各機関のリポジトリの運用には、大学図書館の担当部署が中心的な役割を果たすが、論文の著作権は学術雑誌を発行する学会や出版者が保有している場合も多く、公開には著作権の許諾規定の確認が不可欠である。

 機関リポジトリは特に、大学紀要の論文入手に有用である。例えば、国立情報学研究所(NII)が提供する論文・雑誌記事等の統合論文情報ナビゲータ「CiNii」で検索し、特定の大学の紀要の論文がヒットした時は、その大学の機関リポジトリからその全文を無料ですぐに入手することも可能である。

(599文字)

図書館情報技術論 科目終末テスト(回答例)Q6~Q10

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

 

Q6. データベースとデータベースシステムとの違いと関係について説明してください。⇒p.58-59

 データベースシステムは、①データベース管理システム(DBMS)、②コンピュータ、③データベースファイルで構成されている。

 データベースとは、「データや情報の集合物」と」「コンピュータで検索できる」という2つの条件を満たしているもので、データベースを記憶するファイルとデータベースを実行するプログラムの両者が必要である。

 

 

Q7. 図書目録をデータベース化することのメリットについて説明してください。

⇒p.60-61

 目録データベースは、目録カードと比較して、5つのメリットがある。

  • データの入力・記憶は1レコードにつき1回でよい
  • データの追加は自由で、順番を気にする必要がない。
  • コンピュータによるものなので高速検索が可能
  • 様々な検索が可能
  • 同時に複数の人が検索可能
  • データの書き換え(変更・更新)がリアルタイムで可能

 

 

Q8. ロボット型サーチエンジンの長所と短所について説明してください。

⇒p.66-71

 サーチエンジンは、①ディレクトリ型(カテゴリ型;人力で収集し、階層的に分類して検索できるようにしたシステム)、②ロボット型(自動的に網羅的に収集され、全文がデータベース化される)、③メタ型(一度のキーワード検索で複数のサーチエンジンに検索を行わせることができる。一括検索、横断検索、くし刺し検索。または渡り検索)の3つに分けられるが、現在はロボット型が主流である。

 ロボット型サーチエンジンは、クローラがリンクをたどって芋づる式にウェブページを収集・データベース化するので、膨大な量のデータを収集することができるという長所がある。しかし、リンクされていないページや、深層ウェブなどクローラには収集できないウェブページもあるため、検索エンジンの収集方針や戦略によって、収集範囲にずれが生じる。

 一方で、ロボット型サーチエンジンは、情報が膨大すぎるため、検索者の求める情報が記載されたウェブページが発見しにくいという短所もある。しかしこれも、前述の長所を生かし、データ収集の際にリンク数を集めることで、リンク数が多いほど適合しているとみなす「適合度順出力」を可能にしている。

 

 

Q9. サーチエンジンの適合度順出力の方法について説明し、その長所と問題点についても説明してください。⇒p.70-72

 ロボット型サーチエンジンは情報量が膨大すぎるため、検索者のニーズに対応するため、検索結果の出力の仕方を「適合度順出力」にするなど工夫している。

 初期の適合度順出力は、ページ内の検索キーワードの出現回数によって判断していたが、意図的に同じキーワードを多く入れると検索上位に表示されてしまうなどの問題が出てきた。

 また、検索語と、サーチエンジン内に設けられた類語辞書内の類語を含めて検索する方法も使われたが、同様にウェブページに類語を意図的に多く入れられてしまう問題が発生した。

 現在は、ウェブページ制作者が意図的に適合度をコントロールできないよう、リンク数を指標にしてランキングを行う「ページランク」というアルゴリズムが主流になっており、グーグルもこれを採用している。

 なお、各サーチエンジンはリンク数に加えて、検索語の出現位置、ページ更新日時、参照履歴、リンク構造なども総合的に判断してランキングを決定しているので、検索者は必要に応じて複数のサーチエンジンを使い分けることも重要である。

 

 

Q10. アクセス管理技術がなぜ必要なのかについてまず説明し、次に個々のアクセス管理技術について説明してください。⇒p.83-85

 情報システムのセキュリティを守るため、システムの脆弱性を排除する必要がある。脆弱性を排除するためには、情報セキュリティマネジメントを実施する必要があるが、このマネジメントでは、①気密性(情報を不当にみられるのを防止すること)、②完全性(情報が不当に破壊・改ざんされるのを防止すること)、③可用性(情報を継続的に安定して利用できる仕組みを作ること)が必要である。

 このうち①気密性を守るのに必要なのがアクセス管理技術である。コンピュータの脆弱性をなくすにはウィルス対策ソフトによる対策なども重要だが、そもそも誰でも自由にアクセスできる環境を放置しておくのではなく、許可された利用者のみが情報にアクセスできるように管理する必要がある。

 アクセス管理技術には、①ユーザー認証技術と、②アクセス制御技術がある。

  • ユーザー認証技術は、システム利用を許可されている者かどうかを判断する。
    • 本人の記憶や知識を利用する(パスワード)
    • 本人の所有物を利用する(ICカード
    • 本人の身体的特徴を利用する(生体認証)
  • アクセス制御技術は、不正なアクセスからコンピュータやファイルを守る。
    • ファイアウォール・・・ネットワークへの攻撃やハッキングと言った不正アクセスを社内ネットワークの入り口やパソコンの入り口などで遮断する。
    • アクセス権の制御技術・・・ユーザー認証と組み合わせて、そのユーザーにどこまで情報を見せるのか管理し、アクセスできるファイルやフォルダを制限する。

図書館情報技術論 科目終末テスト(回答例)Q1~Q5

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

Q1. OSとアプリケーションソフトとの違いについて説明してください。⇒p.20-21、78

 OSとアプリケーションソフトは、両方ともソフトウェアであるが、OSは、メインメモリやハードディスクの管理を行う「パソコンを使って仕事をするのに必要な準備をパソコンにさせるもの」で、コンピュータにとって必須のソフトウェアである。一方で、アプリケーションソフトは、「文書の作成、表計算シートの作成、デジタルカメラの画像編集」を行うそれぞれ専用のソフトウェアを総称したものである。

 OSは、ハードディスクにあらかじめ記憶されており、パソコンの電源を入れると自動的に読みだされ、OSのプログラムに従ってCPUが動作を開始し、様々な準備作業を行う。パソコン用の代表的なOSは、マイクロソフト社のMicrosoft Windowsや、アップル社のMacOSがあり、ワークステーション用のOSとしては、UNIXが有名で、UNIX系のOSとしてLinuxが無償で提供されている。

 OSでは操作性が重要視されており、画面上でクリックするだけでパソコン操作ができる「GUI(Graphic User Interface)」と呼ばれる直感的に操作ができる工夫がなされている。

 OSは、①プロセス管理、②メモリ管理、③ファイル管理、④入出力管理が必須の機能だが、さらに大規模システムやネットワークサーバーのOSは、システム全体を運用・保守・管理するよう、①メンテナンス機能、②ロギング機能、③自己診断機能、④バックアップ機能、⑤カウンティング機能、⑥ユーザー管理機能を備えている。

 一方で、アプリケーションソフトは、あとからインストールするもので、特にインターネットを経由して入手できるものをオンラインソフトウェアという。

 

 

Q2. コンピュータにおける「数値」と「数字」の違いについて説明してください。⇒p.22、参考p.105

 コンピュータは「1と0しか理解できない」ため、プログラミングにはそれらを用いた機械語が使われるが、「数値」はその道具であり、「数字」はそれによってあらわされる文字である。英語は最も一般的なASCIIコードで表現できるが、日本語にはひらがなや漢字があり7ビットのASCIIコードでは足りないため、2バイト(16ビット)からなるJIS漢字コードを制定している。例えば漢字の「亜」は16進数表記で「889F」、2進数表記で「000100010011111」となる。

 

 

Q3. インターネットとWWWとの関係について説明してください。⇒p.34、39

 インターネットとは、ネットワークを世界規模で展開したものであり、世界規模の情報の交換・発信・入手ができるようになっている。WWWは、「World Wide Web」のことで、これによってインターネットに接続したパソコンなどに文字、画像、動画などを表示させることができる。

 コンピュータ同士が通信を行うには、プロトコルと呼ばれる通信方法の手順や規則を示す必要があるが、インターネット通信では、TCP/ IP通信が用いられており、例えばウェブページを表示させるにはHTTPが、電子メールを送るためにはSMPTがある。HTTPは、HTMLというマークアップ言語で書かれた文書を送受信し、ウェブブラウザと呼ばれるウェブページを表示するためのソフトウェアで閲覧できるようになっている。

 

 

Q4. 情報技術を支える3つの基本技術とそれらの関連について説明してください。⇒p.44-45

 ①ネットワークが情報を駆け巡らせ(通信技術)、②駆け巡ってきた情報をコンピュータが処理し(情報技術)、③これらの情報をデータベースが蓄積し、検索可能にしており、これら①~③なくしては現在の情報化社会は成り立たない。例えば、銀行のATMシステムや鉄道会社の列車予約システムなどはコンピュータをネットワークで結んでデータベースを利用することで初めて成立するシステムである。

 

 

Q5. 著作権が必要な理由をまず説明し、次に著作権と図書館との関りについて説明してください。⇒p.45、48-51

 著作権とは、知的財産権の一つで、思想や感情を創作的に表現したものである「著作物」を複製や模倣などから保護する「排他的利用権」を与えられ、著作物の捜索により自動的に権利が発生するが、同一著作物について複数の権利者が発生することもある。期間は50~70年で、創作者は著作者人格権(公表権、氏名表事件、同一性保持権)とともに著作権(複製権、上映権、公衆送信権、口述権など)を得る。著作権は、ベルヌ条約バンコク著作権条約などで国際的に保護される。

 図書館は、著作権法第31条によって、営利目的でない、一部分の複製であるなど一定の条件を満たすことで著作権者の承諾なしに資料の複製が認められている。

図書館情報技術論 科目終末テスト(設問)

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

Q1. OSとアプリケーションソフトとの違いについて説明してください。⇒p.20-21、78

Q2. コンピュータにおける「数値」と「数字」の違いについて説明してください。⇒p.22、参考p.105

Q3. インターネットとWWWとの関係について説明してください。⇒p.34、39

Q4. 情報技術を支える3つの基本技術とそれらの関連について説明してください。⇒p.44-45

Q5. 

著作権が必要な理由をまず説明し、次に著作権と図書館との関りについて説明してください。⇒p.45、48-51

Q6. データベースとデータベースシステムとの違いと関係について説明してください。⇒p.58-59

Q7. 図書目録をデータベース化することのメリットについて説明してください。

⇒p.60-61

Q8. ロボット型サーチエンジンの長所と短所について説明してください。

⇒p.66-71

Q9. サーチエンジンの適合度順出力の方法について説明し、その長所と問題点についても説明してください。⇒p.70-72

Q10. アクセス管理技術がなぜ必要なのかについてまず説明し、次に個々のアクセス管理技術について説明してください。⇒p.83-85

Q11. 自分の市町の図書館のサイトにアクセスし、そのトップページがだれにでもわかりやすくできるか、あなたが気付いた使いやすい点と使いにくい点を1つずつ紹介してください。(1000文字程度)

Q12. 適切文書入手機能であるリンクリゾルバとはどういうものか、機能を説明し、例としてどういうものがあるのかも紹介してください。(1000文字程度)⇒p.102、参考p.67

Q13. 図書管理システムの基本的かつ主要な機能について、概要を説明してください。⇒p.90-93

Q14. 国立国会図書館サーチについて説明しなさい。特にNDL-OPACと異なる点を取り上げ、その有用な点を述べてください。(1000文字程度)⇒p.105、127

Q15. 機関リポジトリについて説明してください。どのような目的の時に利用すると便利であるかという点を含めて記載しなさい。(1000文字程度)⇒p.104、資料p.67

Q16. 電子ジャーナルについて、そのメリットとデメリットについて少なくとも3点ずつ挙げて説明してください。(1000文字程度)⇒p.111

Q17. デジタルアーカイブについて説明してください。また事例を一つ上げて紹介してください。(1000文字程度)⇒p.119-127

Q18. 図書館の地域社会貢献という目的のために、どういう戦略がありますか?少なくとも3件挙げて説明しなさい。(1000文字程度)⇒p.121

Q19. ICタグの問題点を記載し、そのうちどれか一つの対応策(改善策)について、ご自身の考えを提案してください。⇒p.94-98、資料p.64

Q20. デジタルレファレンスサービスについて、旧来のレファレンスサービスとの違いを挙げて説明しなさい。⇒p.103

 

 

 【感想など】

多分よくわからないまますべてが終わったような気がします。

テキストだけだとよくわからなかったので、参考資料もいろいろ見た記憶があります。が、結局よくわからなかった気が…というわけで、回答例もいまいちです。

でもとにかく素直にお勉強すれば、テストもレポートも何とかなるものなようです。