近畿大学通信で司書資格を取得した記録

近畿大学の通信課程で図書館司書資格を取得しました(2018年度)

図書館情報技術論 科目終末テスト(回答例)Q11~Q15

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<設問>

 

Q11. 自分の市町の図書館のサイトにアクセスし、そのトップページがだれにでもわかりやすくできるか、あなたが気付いた使いやすい点と使いにくい点を1つずつ紹介してください。(1000文字程度)

 ○○図書館のウェブサイトのトップページの利点としては、トップページに簡易検索窓がついていることである。近年、検索エンジンに慣れた利用者は、とにかく単語を入力して検索する傾向にある。そのため、まずは検索が容易にできるよう、工夫が必要で、その点でこのページは評価できる。また、トップメニューの「カレンダー」をクリックすると、すべての館・分館の名前がわかりやすく並べられたページに行き、目的の館をクリックすると、その日、その図書館が開館しているかどうかすぐにわかようになっている。さらに言えば、トップページに○○館が「いま開館しているかどうか」が一目でわかる工夫があると更に多くの利用者にとってやさしいといえるだろう。

 一方で、詳細検索ページに行きづらい難点もある。トップメニューに並んでいる「資料検索・予約」バナーや、近くに設置された「資料検索・予約」アイコンをクリックすると、資料検索等の説明が記載された「トップメニュー」ページにリンクされており、そのページでもう一度「資料検索・予約」をクリックしてようやく詳細検索ページにたどり着ける。一方で、トップページをスクロールして現れる「資料検索・予約」という文字からのリンクをクリックすると、一度で詳細検索ページにたどり着ける。利用者は一刻も早く検索画面に行きたいので、トップメニューのリンク先も、詳細検索ページにしたほうが効率的だろう。

 また、詳細検索ページに行けばようやく「English」の文字が出てきて、英語サイトに移行できるが、トップページには多言語対応の表記が全くない。これでは日本語のわからない居住者はこのサイトは全く使えない。また、英語ページでも、資料種別が図書、雑誌など日本語のままで表示されているなど、多文化共生社会への対応が遅れている印象を与えてしまっている。

 インターネットの発展した今日では、ウェブサイトはいわば「玄関口」であり、図書館の顔にも匹敵すると言えるだろう。○○図書館は、さらなる努力が必要であろう。

 

 

Q12. 適切文書入手機能であるリンクリゾルバとはどういうものか、機能を説明し、例としてどういうものがあるのかも紹介してください。(1000文字程度)⇒p.102、参考p.67

 利用者に情報資源へのアクセス方法などを示すシステムをリンクリゾルバという。インターネット上の情報資源が増えたことで、利用者にいかに効率よくアクセスを提供するかが課題となっている。特に大学図書館は、自館の所蔵資料、機関リポジトリ、電子ジャーナル、オンラインデータベース、ILL可能な他館の情報など、多種多様なアクセス方法が混在しており、検索者が自分で効率的な入手経路を見つけることが難しいため、リンクリゾルバを用いたリンキング手法が確立された。

 従来の直接リンクを貼るリンキング手法は、オンライン上の資料のURLが変更されると対応できなくなるという短所があったため、リンクリゾルバでは、リンク情報を管理しつつ利用の状況に応じて最適のリンク先を決定するシステムが提案された。リンクリゾルバは、文献データベースから該当分権に対するメタデータを受け取り、直接リンクに相当するURLを生成する。それを効率化するために、URLの中に当該情報源のメタデータを埋め込むOpenURLが生まれた。

 現在、大学図書館で広く利用されているリンクリゾルバシステムには、ExLibris社のS.F.Xがある。○○大学でもSFXを利用している。例えば、○○大学専用のPubMedにアクセスし、論文を検索した場合、検索結果に表示された「Find it @○○大学」のアイコンをクリックすると、SFXメニューが表示される。「フルテキスト」にリンクが表示されればクリックすれば電子ジャーナルなどの全文にすぐにたどり着ける。フルテキストが利用できない場合は、「フルテキストへのリンクはありません。」と表示されるため大変わかりやすい。その場合は、大学のOPACの検索結果が表示されれば紙媒体での入手を、それもない場合は、「文献複写を申し込む」をクリックすれば、他大学などからの入手の手続きがオンラインでその場でできるようになっている。(804文字)

 

 

Q13. 図書管理システムの基本的かつ主要な機能について、概要を説明してください。⇒p.90-93

 図書館の業務やサービスを行うシステムを図書館システムと言い、現在では、OPACと貸し出しシステムが連携した統合図書館システムが利用され、①蔵書管理システム、②予算管理システム、③統計処理システム、④目録システム、⑤貸し出し返却システム、⑥マイライブラリー、⑦予約とリクエストなどの主要システムがある。

  • 蔵書管理システムは、(1)図書管理システムと(2)雑誌館システムに分かれる。
    • 図書管理システムは、選書・発注/購入・登録/削除を行う。
    • 雑誌管理システムは、冊子体の雑誌を管理する。
  • 予算管理システムは、資料購入費や備品・消耗品購入費を管理する。
  • 統計処理システムは、貸出件数や予約件数、蔵書件数、発注件数、支払い費用、除籍件数など、図書館システムを使って業務をすれば自然に得られる統計(業務統計)を管理しており、これを解析することで業務改善等につながる。
  • 目録システムは、近年はオンラインで利用できるウェブOPACがほとんどである。
  • 貸し出し・返却システムは、利用IDと資料IDを関連付けて、だれがどの資料を借りているのかを管理する。バーコードが主流だが、今後はICタグを利用したRFIDの利用増加が期待できる。
  • マイライブラリーは、最近多い機能で、利用者ごとにその人専用の情報を提供する。自身の貸し出し状況や予約状況を確認できるほか、指定したキーワードに該当する資料が図書館に入ったら知らせてくれる「選択的情報提供(SDI)サービス」もある。
  • 予約とリクエストは、貸し出し中の資料が戻ってきたときに優先的に利用権を得られる「予約」や、図書館にない資料をほかの図書館から取り寄せたり購入を依頼したりできる「リクエスト」などのサービスを提供する。

(728文字)

 

 

Q14. 国立国会図書館サーチについて説明しなさい。特にNDL-OPACと異なる点を取り上げ、その有用な点を述べてください。(1000文字程度)⇒p.105、127

 国立国会図書館サーチは、国立国会図書館が提供している検索サービスで、多様な機関から集めた各種の情報を統合的に検索できる。国会図書館所蔵の全資料のほか、都道府県立図書館、政令指定都市の市立図書館の蔵書、国立国会図書館やほかの機関が収録している各種のデジタル情報も探すことができる。

 従来の「国会図書館OPAC」は、平成30年1月に「国会図書館オンライン」にサービス変更されたが、これは、国会図書館の所蔵資料または国会図書館で利用可能なデジタルコンテンツを検索するため、国立国会図書館所蔵資料の検索や遠隔複写等の申込みに便利である。一方で、国立国会図書館サーチは、全国の公共・大学・専門図書館公文書館、美術館や学術研究機関など様々な機関の所蔵資料を統合的に、より幅広く検索できるようになっている。

 また、デジタルアーカイブについては、もともとは「国立国会図書館デジタルアーカイブ(PORTA)」というサービスが提供されており、これは、各機関のデジタルアーカイブに格納された資料を、期間横断的にワンストップで検索できるポータルサイトであった。これが、2012年1月以降に国会図書館サーチに統合され、各機関のデジタルアーカイブの資料はここから検索できるようになった。PORTAでは、57機関の2800万件(2010年9月時点)ものデジタル資料を検索でき、国立国会図書館の資料としては、国立国会図書館デジタルコレクション、近代デジタルライブラリー、歴史的音源などのデジタルアーカイブなどが含まれる。国立国会図書館以外のものとしては、①公的機関のアーカイブ、②大学・大学図書館アーカイブ、③公共図書館アーカイブ、④民間機関のアーカイブ青空文庫など)もPORTAは対象としている。

(738文字)

 

 

Q15. 機関リポジトリについて説明してください。どのような目的の時に利用すると便利であるかという点を含めて記載しなさい。(1000文字程度)⇒p.104、資料p.67

 大学図書館を中心として、所属メンバーの学術的文献や研究発表資料、授業資料などを蓄積・検索できるようにしたデータベースを「機関リポジトリ」といい、通常はインターネット上で無償で公開されている。

 「機関リポジトリ」は「大学及び研究機関で生産された電子的な知的生産物を補足し、保存し、原則的に無償で発信するためのインターネット上の保存書庫」と定義されるが、大学の研究成果のPRや利用促進につながるだけでなく、商業出版者の雑誌に投稿した研究成果である論文を高額な費用をかけて入手しなくてもよいように自ら無料で広く公開することも目的としている。

 近年は特に、「査読された雑誌論文の国際的、電子的流通及び無料で制約のないそれら論文へのアクセス」を目指す世界的なオープンアクセスの流れを受けて、機関リポジトリでの論文の電子化や公開がすすめられている。各機関のリポジトリの運用には、大学図書館の担当部署が中心的な役割を果たすが、論文の著作権は学術雑誌を発行する学会や出版者が保有している場合も多く、公開には著作権の許諾規定の確認が不可欠である。

 機関リポジトリは特に、大学紀要の論文入手に有用である。例えば、国立情報学研究所(NII)が提供する論文・雑誌記事等の統合論文情報ナビゲータ「CiNii」で検索し、特定の大学の紀要の論文がヒットした時は、その大学の機関リポジトリからその全文を無料ですぐに入手することも可能である。

(599文字)