近畿大学通信で司書資格を取得した記録

近畿大学の通信課程で図書館司書資格を取得しました(2018年度)

情報サービス論 科目終末テスト(回答例)Q1~Q5

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<回答例>

Q1. レファレンスサービスの業務内容を挙げ、簡潔に説明してください。

 レファレンスサービスとは、利用者の質問に対して、情報収集が効率的かつ効果的に行われるよう支援し、適切な資料を提供するサービスで、「参考業務」とも呼ばれる。

 レファレンスサービスには、7つの業務内容がある。

①質問の処理

 事実や事項調査に関する情報を提供すること。または、資料収集の際には、必要な文献が出ている書誌・索引類を使い提供すること。レファレンスツール等の使い方を説明しながら、次回からは利用者が自分で調査するようにすることが望ましい。

②読書相談

 利用者が求めるテーマや内容の資料を探すときに、必要なアドバイスを文献資料を通して行うもの。特に公共図書館学校図書館でよく見受けられる。

③相互協力

 各種図書館が協力し合い、相互貸借、相互複写、相互紹介、相互レファレンス等を行うこと。現在は、インターネットの普及によって諸外国との協力体制もある。

④情報検索

 自館OPAC、オンラインデータベース、CD-ROMデータベースなどを使い、情報を提供すること。

⑤レフェラルサービス(情報提供サービス)

 関係機関や相談機関等を直接紹介したり、資料を介して紹介して、利用者を専門家へとつなげるサービス。図書館の社会的地位を築くこともできる。

⑥カレントアウェアネスサービス

 個人やグループに対して、特定主題に関する資料を選択して提供するサービス。特定のテーマの記事をまとめたりリスト化したりして提供するドキュメントサービス、参考文献を紹介する文献紹介サービス、雑誌や学術紀要の目次または総目次を提供するコンテンツサービス(目次サービス)、利用者があらかじめ登録しておいた特定のテーマについて図書や記事のリスト等を新規文献情報として適宜提供するSDI(Selective Dissemination of Information)サービスがある。

(※注…「7つ」と書いてありながら実際には6つの業務内容しか挙げてないことにブログを書いた時点で気づきました。一体何だろう…)

 

 

Q2. 生涯学習大学図書館の一般開放について記してください。

 現代は、生涯学習時代と言われ、知識時代・高齢化社会・高学歴化社会になったこともあり、人々は、情報化やマルチメディア化が進む中で、生涯学習への欲求が高まっている。

 1992年12月には、学術審議会の報告書「大学図書館機能の強化高度化について」の中で、「大学図書館の社会への開放など新しいニーズへの対応」という提言が含まれた。これを受け、当時の文部省は、土日開放や地域社会への開放を促進している。

国公立大学は税金で運営されていることから一般公開が原則だが、私立大学でも一般開放が進んでいる。1993年の日本図書館協会調査によると、研究目的で利用する一般市民に開放されていることが多い。つまり、公共図書館との棲み分けを、図書館側も利用者側も認識しているということである。また、利用条件としては、所蔵資料の館内利用が多い。通常は、身分証明書を提示して図書館利用証を作成してもらうが、大学によっては、入館料や登録料を収める必要もある。

 このように一般公開条件は様々ではあるが、生涯学習時代においては大学図書館も地域貢献も求められることを認識し、学生だけでなく地域を含めた情報サービスの在り方を検討する必要がある。

 

 

Q3. ビショップの理論とは何か記してください。

 ウィリアム・ワーナー・ビショップは、論文「レファレンスワークの理論」の中で、レファレンス業務の起点や業務範囲について記している。

 ビショップは、「レファレンス業務は、図書館そのものの歴史に即しており、長い歴史的系譜をもつ図書館業務である」と述べ、レファレンス業務の起点は、社会的背景によって要請され、組織的・計画的業務として行われた時点ではなく、図書館が発生した時から何らかの人的援助の形で行われてきた、という見解を示した。

 また、レファレンス業務の範囲については、ビショップは、図書館員が質問者に対して回答や情報そのものを提供することを否定し、「保守理論の集大成」とも言われている。すなわち、図書館員は自館・多感の資料とを結びつけtる媒体的機能と、利用者が自立して利用できるよう教育する指導的・教育的機能を果たすことで、調査研究の援助をすることがレファレンスサービスであり、研究調査自体は利用者がするものだと明確に区別したのである。

 なお、保守理論は、①回答や情報自体の提供を否定し、②教育・指導的機能を重視し、③媒体的機能重視のため図書館の知識・経験・技術を重視する傾向が強い。 

 

 

Q4. 生涯学習と館種別図書館の役割について記してください。

 現代は、生涯学習時代と言われ、知識時代・高齢化社会・高学歴化社会になったこともあり、人々は、情報化やマルチメディア化が進む中で、生涯学習への欲求が高まっている。図書館も、各館種ごとに様々な役割を果たすことができる。

 公共図書館については、市町村立図書館は一般的に浅く広く資料を集め、提供していることから、関係機関や相談機関等を直接紹介したり、資料を介して紹介して、利用者を専門家へとつなげるレフェラルサービスや、他館との相互協力をきちんと提供できる体制づくりが重要になる。市町村立図書館は、学術書や研究所が多い都道府県立図書館や、近年、一般開放化の進む大学図書館へと利用者を紹介し、必要な情報を得てもらうことができる。一方で、市町村立図書館は地域資料と呼ばれる郷土・行政資料を多く所蔵することから、これらに関するレファレンスサービスについては、自館の利用者に提供するのはもちろんのこと、他館からの照会にも対応することで、相互に有益な関係を築くことができる。

 大学図書館については、ある意味では専門図書館とも言える性格を持つことから、特定分野や主題に関する学術・研究書の収集・提供に優れていることから、公共図書館とは異なる視点からサービスを提供する姿勢が重要である。1992年12月には、学術審議会の報告書「大学図書館機能の強化高度化について」の中で、「大学図書館の社会への開放など新しいニーズへの対応」という提言が含まれた。これを受け、当時の文部省は、土日開放や地域社会への開放を促進している。国公立大学は税金で運営されていることから一般公開が原則だが、私立大学でも一般開放が進んでいる。

 このように、各種図書館で相互に補完・協力することによって、利用者の生涯学習のニーズに答えていくことができる。

 

 

Q5. レファレンスインタビューの必要性を述べ、インタビューの確認事項を記してください。

 レファレンスインタビューとは、質問してきた利用者に対して、調査の戦略を決定するために、調査に入る前に様々な質問をすることである。レファレンスの7~8割がレファレンスインタビューに左右されるともいわれ、大変大切な質問処理のプロセスである。特に、日本では、貸出業務に主軸が置かれ、レファレンスサービスが一般利用者に浸透していないために利用者が質問を遠慮してしまうことも多いため、図書館は、レファレンスインタビューで必要な事項を確認しながら、レファレンスサービス自体を積極的に広報していく必要もある。

 レファレンスインタビューの確認事項は、以下の4つである。

①正確なテーマ範囲の確認

 利用者の質問と、利用者が本当に知りたいテーマとが乖離していることがよくあるため、まずは、具体的に利用目的や詳細情報を聞くことで、正確なテーマを把握する。

②学習体験の確認

 テーマを把握したら、過去に書籍や雑誌等を確認したかどうか聞き、学習レベルを把握する。

③資料の種類の確認

 特定の種類の資料が必要なのか、それとも、図書・記事等どんな資料でもよいのか、国内資料のみか、または国外資料も必要か、など確認する。

④時系列の範囲の確認

 利用目的によっては、最新の資料よりも過去の資料が必要な場合もあるため、最近のものか、戦後か、戦前か、など、必要な時系列範囲を確認する。