図書館サービス概論 レポート
<設問>
身近な公共図書館(都道府県立より、市区町村立が望ましい)を観察し、このテキストに書いてあることと比較しつつ、その図書館の特徴を述べ、またあなたの具体的で実現可能な希望を列挙してください。
<回答>
1.はじめに
○○図書館について調査を行った。なお、数値は○○図書館については『○○の○○ 平成29年度』に、他や全国の市区立図書館については『日本の図書館 統計と名簿2017』による。
2.利用状況
○○図書館は、X館、X分館、移動図書館車X台(Xか所を巡回)でサービスを提供している。
人口X人に対して蔵書X冊(うち約20%は◇◇図書館所蔵)、登録者はX人となっている。人口一人当たりの蔵書は約3.17冊で、全国の市区立図書館の一人当たりの蔵書平均約2.95冊(蔵書344,164千冊、人口116,822千人)よりも若干多い。
個人への貸出点数は年間X点で一人当たり約5.92点となり、近隣同規模都市の▲▲図書館の平均約5.43点(貸出X千点、人口X千人)や全国平均約5. 37点(貸出627,215千点)と比較し若干多い。
人口に対する登録者は約24%で、全国平均の約40%よりも低い。
以上のことから、○○図書館は登録者は少ないが、蔵書や貸出は多めの図書館だと言える。
3.基本サービス
閲覧についてはXX曜日、XX曜日が全館休館で、一部閉架書庫を持つが基本的には開架方式である。貸出点数はX年4月から図書資料がX点からX点に増やされ、視聴覚資料はX点まで、期間はX週間で、全館に夜間返却用ブックポストが設置されている。○○はXXが多いため、移動車巡回だけでなく、XXの生涯学習センターや学校に配本し、Xか月ごとに更新している。##にも団体貸出形式で図書室を設置している。
利用登録対象者は○○在住・通勤者と、X年4月から近隣都市在住者も加わった。
また、ウェブOPACが提供されており、●●図書館の横断検索システムにも参加している。
貸出延長・予約はウェブサイトからも可能だが、毎日X時~X時の間はデータ更新で利用できず、24時間サービスにはなっていない。またX時~X時の間は電話による自動応答サービスも提供している。リクエストサービスはこれらには対応しておらず、来館が基本となっている。
複写サービスは全館で1部X円で可能で、一部館ではカラーコピー(X円)、◇◇図書館では新聞のマイクロフィルムのコピー(X円)も可能である。
レファレンスは対面、電話及びメールで受け付けるが、○○に関する調査以外の一般調査については、サービス対象者を○○在住・通勤者に限っている。
課題解決支援サービスについては、★★行政事業の一環としてX年に開館した★★図書館が★★支援や医療・健康情報支援図書館となっているほか、全館で「XX」と言う乳幼児と関わる大人向けの読み聞かせ講座を実施するなど、○○の子育て支援事業にも密接に携わっている。
4.対象別サービス
○○図書館は所蔵図書の約25%が児童書で、分館を含む全館に児童室を設置するなど、児童サービスに力を入れている。
障害者サービスについては、郵送等による資料の貸出や展示・録音図書の貸出も行うが、通常の利用者登録とは別に登録が必要である。全館に大活字本を配架し、また拡大読書器や自動読上げ機を設置する館もあり、ボランティアによる対面朗読サービスも提供している。
施設面では全館にバリアフリートイレを設置するほか、○○行政と連携しバリアフリー情報をウェブでも公開し、初めて利用する人も安心できる仕組みになっている(参考資料)。
多文化サービスについては、★★図書館を多文化共生図書館、▽▽図書館を外国語図書館と位置づけ、多言語資料の充実を図っている。これらの館では外国文化講座や外国語のおはなし会、英語多読講演会等を実施している。
5.希望するサービス
まずは利用案内の充実を希望する。様々なサービス、文化・集会活動が提供されている一方、案内が積極的になされていない。簡単な利用案内冊子を作成し、図書館ツアーを定期的に実施するだけでも、利用者にとっては新しい発見が多くあるだろう。
もう一つは、特にウェブサイトでの多文化サービスの充実である。○○図書館ウェブサイトには多言語ページがなく、蔵書検索など一部機能が英語で提供されているが、非常に見つけづらいため、まずはトップページのわかりやすい場所にリンクを貼るとよいだろう。また、○○の外国人住民はXX籍とXX籍が約半数を占めることから(参考資料、p.6)、将来的にはXX語・XX語でのサービス提供も期待される。
さらには、高齢者サービスの充実が望まれる。○○は児童サービスに注力する一方、高齢者サービスがほとんど提供されていない。高齢者にも便利な各種障害者サービスは障害者手帳所持が前提となっているものがあるなど、一般の高齢者がサービスを受けづらい状況である。無理のない範囲でサービス対象を高齢者に拡大するなどの対応が望まれる。
(2088字)
<参考資料>
日本図書館協会図書館調査事業委員会.(2018).『日本の図書館 統計と名簿 2017』. 東京:日本図書館協会.
…ほか○○図書館の統計など(実際のレポートでは5つ挙げています)
【感想など】
2回目での合格でした。1回目は「サービス対象全体によく使われているか登録者でなく「一人当たりの貸出数」を同規模自治体や平均などと比べて評価してください。」とのこと。2回目も合格したものの、「一人当たりのデータはほかの類似都市やその平均とも比べてください」とのことだったので、もっと比較が必要だったかもしれません。
他の方のブログ等を読んで『日本の図書館 統計と名簿』が必須だと事前に知っていたので使いましたが、必要なら最初から要項に書いてほしいなあというのが本当のところ。