近畿大学通信で司書資格を取得した記録

近畿大学の通信課程で図書館司書資格を取得しました(2018年度)

生涯学習論 科目終末テスト(回答例)Q11~Q15

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<回答例>

Q11.生涯学習社会の概念について論じてください。⇒p.3

 生涯学習社会は実在するわけでなく、また共通に確認された概念でもなく、教育行政セ策の到達目標を示すものであって、学術用語としての定義はない。

 「学習社会」という言葉は学術的に定義されている。アメリカの法学者ハッチンスが1968年に出した著作の中で、「学習社会」を「すべての成人男女にいつでも定時制成人教育を提供するだけでなく、学習、達成、人間的になることを目的として、あらゆる制度がその目的の実現を志向するように価値の転換に成功した社会」と定義している。

 また、「生涯教育」という言葉は学術的定義が曖昧であり、1965年にユネスコの成人教育部長であったポール・ラングランが、脱学校型の新しい学習の概念を示すため、初めて「生涯教育」という言葉をフランス語で発したものが翻訳されて以降、日本で定着してきた。「生涯教育」という言葉は、それ以前の学校中心の教育観とは一線を画すものとして、全世界に広がりを見せたが、その背景には、社会の急速な変化が関係していた。日本では、第二次世界大戦以降、科学技術や社会のあり方自体の急速な発展に伴い、学校教育だけでは人々の生活を支えきれなくなっていた一方、学校教育の普及していない発展途上国でも、就学による国民全体の学力向上によって国力の増強を図ることが重要視される中で、学校から学校後までカバーする「生涯教育」という考え方は、当時の時代に即した、社会に必要とされる、全世界的な「教育改革のキイ概念」であったのである。

 日本では、1971年の社会教育審議会の答申「急激な社会構造の変化に対処する社会教育のあり方について」に「生涯教育」が登場してから、その後の中央審議会等でも常に重要な項目として言及され、その理念が教育施策の中核となっている。2006年には、教育基本法の第3条に初めて「生涯学習の理念」の規定が設けられた。それによると生涯学習によって、「自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができる」ように、「生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現」を目指すべき、とあるが、これは定義ではなく、政策的な目標にすぎない。

 しかし、生涯学習活動を通じて学んだ成果は、個人だけでなく、社会にも還元される場合もあることから、行政が社会教育として提供することが重要だと言える。

 

 

Q12.生涯学習社会の概念について論じてください。⇒Q11と同じ

 

 

Q13.生涯学習振興のための条件整備について述べてください。⇒p.33

 1992年7月の生涯学習審議会答申「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」で、今後は人々がいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が社会において適切に評価されるような「生涯学習社会」の構築を目指すべきと提言した。

 そのための条件整備として、①リカレント教育の推進、②ボランティア活動の支援・推進、③青少年の学校外活動の充実、④現代的課題に関する生涯学習機会の充実を挙げた。

 1996年8月の答申「地域における生涯楽譜数機会の充実方策について」では、地域社会において学習機会を提供している機関を、①大学等高等教育機関、②小中高等学校、③社会教育・文化・スポーツ施設、④他省庁や企業の研究・研修施設の4類型に分類し、それぞれが生涯学習の機会充実を図るための目標課題等を明らかにした。

 このなかでは、「連携協力」が重要視され、社会教育施設は、行政の他の関連施設や民間教育事業者と連携することが重要とされた。また、学校教育と社会教育とがそれぞれの役割分担のみならず部分的に重ね合わせながら一体となって教育に取り組んでいく「学社融合」という新しい概念も提言された。

 

 

Q14.地方の社会教育行政の組織について、述べてください。⇒p.48

 教育基本法により、国と地方公共団体は社会教育の振興に努めることが規定されているが、実際の社会教育行政を行うのは地方公共団体である。なぜなら、社会教育法で地方公共団体社会教育施設の設置運営や各種講座等の開催、民間団体等の自発的活動の促進の指導助言等を行い、地域住民の学習活動を直接に支援するのは市町村の役割で、都道府県は、さらに広域的な観点から、同様の役割を担うこととされているからである。一方、国は、地方公共団体に対して財政的支援を行うこととされている。

 地方公共団体で社会教育行政を担うのは、教育委員会で、その事務を司るのが教育委員会事務局であり、その中に社会教育課や生涯教育課といった組織が置かれている。そこでは、教育公務員特例法において専門的教育職員として位置づけられている社会教育主事や、社会教育指導員も置かれている。

 そのほかにも、1990年の生涯学習振興法で設置が示された都道府県生涯学習審議会が各都道府県条例によって設置されるほか、法的機関ではないが知事又は教育長のもとに生涯学習推進本部と言う全庁的行政組織が整備される都道府県もあった。市町村についても法的根拠はないが、都道府県同様に生涯学習審議会や生涯学習推進本部などを設置するところもあった。

 しかし、従来の縦割り行政の弊害を払しょくできないまま、生涯学習推進本部が解消されるなど、生涯教育振興行政の要として中核的役割を果たすことができずに、総合的に生涯学習施策を調整・推進する体制はほとんど整っていないのが現状である。

 また、社会教育法に定められた社会教育委員制度により設置された会議が設置されたり、任意の公民会運営審議会、図書館協議会、博物館協議会が設置されたりするが、現状では委員の人選等この制度発足の目的が十分には他われていないケースが多い。

 

 

Q15. 地方の社会教育行政の組織について、述べてください。⇒Q14と同じ