近畿大学通信で司書資格を取得した記録

近畿大学の通信課程で図書館司書資格を取得しました(2018年度)

生涯学習論 科目終末テスト(回答例)Q16~Q20

※設問の後ろのページ数は2018年度版テキストでの回答に使った参考ページです

※テスト課題は添削されていないので不正解の可能性もあります。あくまでも回答例です

※自分の勉強用にまとめただけのものなので誤字脱字あります 

 

<回答例>

Q16.学校教育と社会教育の異同について述べてください。⇒p.124

 学校教育と社会教育とは、多くの点で異なる。学校教育は、全国的な教育水準維持のため、学校の設置・教育課程・施設基準・教員免許、義務教育費の国庫負担等がすべて法令で定められているが、社会教育は地域の状況や住民の希望党によって自由度が大きく、財源的な裏付けが脆弱であるため、社会教育費は年々減少している。

  •  施設の設置…学校教育は、学校教育法で市町村に小中学校の設置義務があるなど法令上の位置づけが明確だが、社会教育は例えば公民館など法令上の設置義務がない。
  • 教材…学校教育は国が定めた学習指導要領に沿った教科書を使用することとなっているが、社会教育では共通の教科書や教育内容の基準がない。
  • 学習者…学校教育は入学すると基本的には卒業まで通い続け、特に小中学校は9年間の普通教育が義務付けられているが、社会教育では学習するかしないかも含めてだれがどこでどの期間学習するかは本人が選択する。
  • 教職員…学校教育は、教育職員免許法により高等学校段階までの教員は免許状の所有が求められるが、社会教育では、教育委員会事務局には社会教育主事の任用資格が定められているものの、実際の現場で教えるための資格や基準は設けられていない。
  • 財政基盤…学校教育は、法令に基づいて国や地方公共団体が負担する経費によって運営されるが、社会教育は必要に応じて予算措置を行うこととされており、法令上必須の事務であるとまでは言えない。
  • 成果…学校教育は、学力的な面での工場の効果を数字で示すことが可能だが、社会教育は、事業の成果を示しづらい。
  • 所管…学校教育は、地方自治法により教育委員会が所管することになっているが、社会教育は、地方自治法では教育委員会の所管とされ散るものの、同法の他の規定を使って社会教育を首長部局が実施する例が増えてきている。これは、予算縮小のための組織スリム化など消極的意味合いで行われる場合と、まちづくりなど総合的な行政目的のため積極的に移管される場合とがある。

  このように、学校教育に比較して、社会教育は、自由度の高いものとして設計され、それ故に法的根拠が希薄になるというデメリットもあるが、教育基本法が規定する個人の要望と社会のニーズにこたえるために、学校とは異なる特性を生かしながら、地域課題の解決に中心的な役割を果たし、まちづくり中核になることが求められている。

 

 

Q17.法制上における家庭教育について述べてください。⇒p.120

 家庭教育は、教育基本法第10条第1項で一義的には保護者の責任であり、行政機関は家庭教育そのものに直接かかわることはできない一方、家庭教育支援は、保護者に対して必要なサポートを行政機関が提供するもので、2001年の社会教育法改正にあたり、市町村教育委員会の事務として家庭教育に関する学習の機会を提供するための講座の開設等が盛り込まれたように、社会教育の重要な構成要素となっている。

 家庭教育支援では、次のような施策が行われる。

  • 情報提供
  • 学習機会の提供
  • 相談体制の整備
  • これらの総合的家庭教育支援チーム事業の実施

 こういった取り組みは大きな成果をあげることもある一方で、家庭教育支援には限界もあり、社会教育関係施設・団体との協力だけでなく、子育て支援児童虐待等を所管する他の行政部門や専門家等との連携も不可欠である。

 

 

Q18.生涯学習振興のための、公的施設について説明してください。⇒p.54

 生涯学習振興のための公的施設としては、社会教育を行うために設置された教育機関である社会教育施設が挙げられる。2006年の教育基本法改正と2008年の社会教育法改正により、公民館、図書館、博物館、青年の家等が社会教育施設であると法律上はじめて明記された。地方公共団体が設置する社会教育施設教育委員会が所管することになっている。

  1. 公民館…戦後まもなく日本独自の社会教育施設として構想され、住民のために実際生活に即する教育、学術、文化に関する事業を行うことで、教養の向上、健康増進、情操純化を図り、生活文化の振興や社会福祉の増進に寄与することを目的として設置された。
  2. 図書館…図書、雑誌・新聞、視聴覚資料等の資料や情報を収集・整理・保存し、提供する組織で、公立図書館については図書館法で規定されている。一般の人々の教養、調査研究、レクリエーション等に役立つことを目的と市、地域の事情と希望に沿い、学校教育を援助し、家庭教育の向上に役立つよう留意することが定められている。(p.137)
  3. 博物館…博物館法で「歴史、芸術、民族、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮のもとに一般の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすること」と規定されている。展示を通じた間接的教育が特色である。
  4. 青少年教育施設…文部科学省によると、青少年のために団体宿泊訓練や各種研修を行う施設で、少年自然の家、青年の家、児童文化センター等に分類される。子供から大人へと成長する過程において社会的に自立した個人となるために支援する必要がある「青少年」を対象としているが、近年の社会の変化により、青少年の年齢対象があがってきており、近年は0歳から29歳をとらえることが多い。

 

Q19.社会教育の専門的職員と社会教育関係団体について説明してください。⇒p.58

 様々な社会教育の専門職員がいるなかで、最も中核的な役割を担うのは社会教育法により資格が規定された社会教育主事で、教育公務員特例法において専門的教育職員と位置付けられている。社会教育主事は、社会教育法により地方公共団体教育委員会事務局に設置が義務付けられており、その職務は、社会教育を行うものに専門的・技術的な指導と助言を与えることとされている。また2008年の同法一部改正により、学校が社会教育団体等の協力を得て教育活動を行う場合にも、求めに応じて社会教育主事が助言できることになった。

 そのほかの社会教育専門的職員としては、社会教育施設の職員がおり、図書館法・博物館法でそれぞれ資格要件が定められている司書・司書補や学芸員がいる。また、法律上の資格要件はないが、公民館には公民館主事が任意で設置される。

 社会教育関係団体とは、社会教育法第10条で、公の支配に属しない団体で、社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいうとされており、国や地方公共団体が組織や人事、事業、財政等について決定的支配権を持たない。

 社会教育関係団体と国や地方公共団体との関係については、戦中に青年暖冬が強力な感性団体として統合された経緯から、戦後は社会教育関係団体に対する権力による統制的支配や干渉を排除して、団体活動の自由を保障しようとした。現在は社会教育法第11条により、国や地方公共団体は社会教育関係団体に対して、求めに応じて指導または助言を与えたり、必要な物資の確保につき援助を行うことはできるが、同時に、いかなる方法でも不当に統制的支配を及ぼしたり干渉を加えてはならないとされている。

 補助金についても、1959年以前の社会教育法では禁止されていたが、1959年の改正により、憲法89条の規定に抵触しない事業については支出が可能になり、社会教育審議会答申で補助事業の範囲として図書等資料の収集作成提供や催しの開催、調査研究、施設整備等、 具体的な事業が挙げられている。

 

 

Q20.生涯学習の方法について述べてください。⇒Q5(個人学習と集団学習の相違)と同じ